2011年10月6日木曜日

Trunk Muscle Activity in Two-Leg Standing To One-Leg Standing in Healthy Elderly Adults

この文献は、健康な若年者と高齢者を両脚立位から片脚立位へ切り替えた時のバランス実験を行ったものです。

何故かMMT4、5ある患者さんがいるのにバランスを崩してしまう、上手に歩けない、ズボンの着脱が上手にできない・・・などの臨床をよく経験します。

この文献は、筋活動には問題がない健康な若年者と高齢者を比較すると、高齢者の方がアンバランスであったと述べています。左図をみると、動作に移る500ms前の圧倒的な反応の違いがよくでています。




*task:右足を挙げる
GM:左中臀筋
OI:左内複斜筋
MF:左多列筋
IP:右腸腰筋

真っ先に患者さんをベッドに寝かせ、当たり前のように筋力訓練・・・。この図からみて、むしろ高齢者の方が腸腰筋の活動が高い時もあることから、筋力訓練程、神経を集中してかかわらなくてはいけないと思いました。よく見受けられる学生さんの発表に対して、
「MMT5近くあるのに、歩けないのはMMTの評価の仕方がまちがっているのでは?」
とスタッフが学生さんによく質問を投げかけています。

その話を聞くたびに私は、
「では、実際にMMT5であったら、あなたはこの方の問題をどう考えますか?」
と逆にスタッフに質問!!・・・しようかな。と思っている私がいます。
少し愚痴が入ってしまいました。すみません。
ADLなど実際に患者さんが動いている場面で、より細かく学生さんと一緒に分析・考えていけるセラピストになれるよう、明日も一生懸命頑張っていきたいと思います。

2 件のコメント:

  1. Hiroki Yamauchi2011年10月16日 2:11

    大事なことはなぜこれが起こるかじゃないでしょうか?
    表出される筋出力は問題ないのに、発火のタイミングに問題がある場合、どのようなアプローチを選択するのか。
    そもそもEMGはバリエーションが大きすぎて文献を読んでも疑いたくなってしまいます。バランスってなんでしょうね?あいまいな表現で逃げたくないものです。

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  2. Hiroki Yamauchiさん
     コメントありがとうございました。
     本当にその通りだと思います。発火のタイミングに問題があるのはなぜか。
     現場では曖昧な表現でごまかしてしまうことが多いです。そのために、評価・治療・評価と常に現場で悩む・考える・調べる姿勢が必要であると考えています。
     実際の実験では、どのような方を選出し、どのような環境下で行ったのかは分かりません。事実なぜこのような結果がでたのか。常に疑問をもちながら文献を読むことなんですね。今後違った視点で文献を読む訓練をしていきたいと思います。

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