2014年7月18日金曜日

呼吸性血液ガスを理解するために① ~呼吸性アシドーシスの腎代償~

 チーム医療の構築と患者さんやご家族に適切なアプローチをしていくためには、やはり医学的な知識が必要不可欠です。しかし私の知識には、doctorやnurseのレベルに至っていない現実があります。

 今回は呼吸性血液ガスを研修会や文献を用いて少しでも理解していけたらと思います。



 「呼吸性アシドーシスの腎代償について」

 生体の細胞が生きていくためには、エネルギー(ATP)が必要になります。そのために糖や酸素を取り入れてエネルギーをつくります。

 これらの作用から、生体内のゴミにあたるCO₂やHは、肺や腎臓によって捨てられます。もし、これらの不要なものが捨てられないと血液ガスに異常が表れてしまいます。

 正常に細胞が生きていくためには、pHの均衡が必要で、もし、PaCO₂が高くなってしまうとpHは下がって(酸性)になってしまいます。そこで、腎臓がHを排泄する際に、HCO₃というアルカリ性のものをつくろうとし、pHが正常値に近づこうとします。これが呼吸性アシドーシスの腎代償作用のようです。

 ここで注意しなければならないのは、HCO₃の値が上がっていないことがあります。これは遠位尿細管で再吸収を促進することでHCO₃の値を上げており、これらの作業には時間的なロスが発生するため、pHが正常値にならない時期があり、これを急性呼吸性アシドーシス(腎による代償がない状態)と言われます。これ以降、PaCO2が上昇しているのにもかかわらず、pHが正常値になっている場合(HCO₃上昇)、これを慢性呼吸性アシドーシス(腎による代償あり)と言われます。

 もし慢性呼吸性アシドーシスなのに、HCO₃が上昇していなかったら、腎臓に何らかの障害があると考えられます。


 次回は低酸素の主な原因について述べていきたいと思います。