2014年11月20日木曜日

気功の先生による治療

 3ヶ月に1度くらいですが、気功の先生から治療を受けています。その先生から治療を受けた癌患者さん、ドクターがびっくりするくらい、癌を消してしまったというものすごい先生です。

 私も大学病院に勤務していた難病の患者さんが、ぜんぜん歩けず、栄養もよくならずといった難しい患者さんを受け持ったことがありました。この気功の先生を知ったのは、まぎれもなくその患者さんに教えてもらったのがきっかけです。驚くほどに、栄養状態はみるみるよくなり、歩行もできて、社会復帰したようです。担当のドクターもびっくり。かなり前なので疾患は忘れてしまいました・・・。

 最近、背中がうずいて、食欲もなく、足もひどく疲れていました。今日久しぶりに先生にお願いしたところ、胃が炎症しているとのことでした。痛みの箇所を背部と下肢で確認し、気功で気を入れてもらいました。その後は、フワフワした感触でしたが、食欲もあり、背中のうずきもありません。その後、頭をからっぽにする時間をつくるようにと言われました。そういえば、いつも何かしらやらなきゃやらなきゃとせかせかしていたような気がします。それが胃の炎症をつくり、外(筋肉)が対応し、経絡上でいう、背部や下肢の筋に移行していたのでしょうか。同じ治療者として、ものすごい技術と知識をもち、そして尊敬に値します。

 その先生は西洋医学に対して次のように話されています。本来、人は内臓や血管、神経、筋肉すべてつながっているのに、内科・外科と分け、それだけでなく、更に体のパーツに分けている。限られた診断・治療は、根本治療にならない。しっかりと原因を探らなくてはいけない。狭い部分をみて、すぐに薬を出したり、切ったりする。人の体に不必要なものはなく、決して切ってはいけない。だから、抗がん剤で、良い細胞も殺しては決してならない。本来治療者は、人が持つ回復力をどう援助するかである。

 リハビリテーションの世界においても、心理的側面と身体的側面を包括的に評価し、内臓や神経、リンパなどを視点としてかかわれる人は少ないと思われます。私も先生に怒られているような感覚でした・・・。

 今日も先生のお話を聞いて、再度患者さんを広い視野でみていきたいと思いました。何故、この人は病気になったのか、どんなストレスを感じていたのか、敏感な人なのか鈍感な人なのか、食生活は、職業は、家族は、趣味は・・・。気功の先生のようにはもちろんいきませんが、この治療体験を経験として、また明日から自分のリハビリテーション技術の向上につなげていきたいと思います。

2014年9月27日土曜日

家族ミラノ療法について

 久々に心理学の勉強会に参加してきました。家族ミラノ療法というもので、普通のカウンセリングとは異なるものでしたが、実際にミラノ療法に触れた私にはとても衝撃的なものでした。もし、興味がもつ方がいらしたら、ぜひ勉強会などに足を運んで頂けれたらと思い、簡単に紹介させて頂きたいと思います。

 1967.8.psychoanalysts at Milan did Marital and Family Therapy.1971.4 of 8 went off to come up new method come up thought strategic method will be good.Relationship between therapist and the family Therapy.Paradoxical relationship.

 これはウィキペディアでも載せてあるようですが、イタリアのミランで精神科医が発展させたものらしいですね。Paradoxicalという観点が重要であることもおっしゃっていました。極端な例ですが、「甘いものを抑えるのが難しいのであれば、逆にどんどん食べなさい」というように指示し、日本人には少し抵抗があるものと思われました。中にはセラピストに強い対抗心がある患者さんや家族がいるらしく、セラピストに言われることと逆のことをしてしまうという意味でもParadoxicalで対応することは重要であるらしいのです。

 Sympathy and reception are important to the counseling.In the family psychology, sympathy and the reception are negative.But not a counselor, it is important that a target person problem solving. This is same important.

 普通、カウンセリングでは受容と共感で対応することを求められますが、この療法では決してその感情を対象者と家族に与えてはならないというものでした。この療法の根底は、対象者を含む家族が問題解決していくというものであり、セラピストの意見はそれを邪魔してしまう強さをもっています。もちろん、カウンセリングでも自分自身で問題解決していくようにアプローチしていくものですが、アプローチの観点が異なっているのですね。


Theme :apastia.Same question to all family’s member.
Who is most worried?Whom did disease find first?Who is pleased with a disease being cured most?This is circular question.Family solves the problem.But Family with a problem has homeostasis.Homeostasis has two things. One is same thing, the other is change thing.These two balance is important

具体的な話になりますが、拒食症の患者さんだとして、それを取り巻く家族全員に同じ質問をしていくのだそうです。誰が最も心配しているか、だれが一番最初に病気に気づいたか、治ったら誰が一番喜ぶか、治ったら家族はどうなるか、などなど。これらを循環的に質問していきます(循環的質問)。これらを繰り返すことによって、自分自身、お互いの考え方、家族構成などみえないものがみえるようになると言います。これには本音をいかに引き出すかにとても難しく思います。特にホメオタシスが存在しているらしく、常に何も変化を求めたくないもの、変化を求めようとするタイミング、この二つのバランスがあり、家族はノンバーバルに理解しているようです。急に変化を作ろうとしてしまうとホメオタシスが崩れてしまうそうです。
上手く伝えられないのですが、これを実際に体験してみると、本当に目にみえない自分や自分を取り巻く大切な人への思いを引き出された感触でした。逆に言えば、セラピストは訓練をしていないと、リスクを高めてしまう可能性が感じられましたが、実際場面ではどうなのでしょうか。



 私たちの生きる社会には、町・地域、学校、職場、宗教、国、世界が背景にありますが、何らかしらの問題となる根底は必ず家族にあると言われていました。家族背景を理解するということは本当に怠ってはいけないもので、また大変難しいものであるということを実感しました。


 
 

2014年9月17日水曜日

CO₂ナルコーシスについて

 前回は低酸素の原因について述べてました。

 低酸素の改善には、注意しなければならない問題があるようです。

 慢性的にCO₂の上昇が続いていると、呼吸中枢である延髄は、低酸素で呼吸ドライブがかかっている状態になります。

 そのため、急に高濃度・高容量の酸素を吸入すると、延髄は勝手に安心してしまい、呼吸を抑制してしまう危険性が出てきます。


 従って、酸素は少しずつ延髄の反応を見ながら吸入していく必要があるようです。お医者様が急に酸素を挙げない理由が、このような点で関連しているんですね。


 延髄にはPaCO₂とPaO₂の影響を受けて呼吸促進をしていますが、この両者との関係を比べると特徴的な所がみえてきます。


 PaCO₂の場合、40mmHgから41mmHgの変化で反応しますが、通常80~100mmHgのPaO₂が60mmHg以下までに下がらないと反応しません。

 つまり、延髄呼吸中枢は、PaCO₂の方が敏感となり、少しのPaO₂減少では反応しません。


 CO₂ナルコーシスの状態が続くと、今度は頸動脈小体がPaO₂に敏感になります(酸素受容体で換気をすることになる)。


 従って、酸素を吸入する場合、60から90mmHgへあげたら、呼吸の抑制を避けるために、再度60mmHgに戻す必要がでてくるようです。

2014年8月22日金曜日

低酸素の主な原因について

 低酸素の主な原因として、大きく4つに分けられています。

①呼吸筋の疲労、胸郭や中枢神経系の異常によるもの
②痰などによる気道閉塞
③肺水腫、肺気腫などによる拡散障害
④肺塞栓、死腔、シャントによる血流不均等

 この①~④を理解するために注意しなければならないのは、酸素は減少しながら吸入されることです。普通、気体は下から上に上がっていきますが、人の場合は鼻や口から肺へ入れていくので、上から下へ向かっていくことになります。

 つまり、大気中の酸素160mmHgが、肺胞にたどり着くときには、すでに100mmHgとなり、肺胞から動脈血へ移動する際には95mmHgとなってしまいます。当たり前の話になってしまいましたが、これが低酸素の原因の基礎となるようです。

 肺胞から動脈血に移る際には、酸素が液体化しなければならないため、ヘモグロビンと結合する必要があります。そのため、拡散能は、酸素よりもすでに液体化している二酸化炭素の方が優れていることになります。③のような、肺胞内に水がたまってしまうと、ヘモグロビンと結合する前の状態であるため、酸素液体を通らず、動脈に届かなくなります。液体化している二酸化炭素は、何も影響をうけなくなります。よく酸素が減ると二酸化炭素は増えるということを聞きますが、このような例の場合、動脈血酸素は減少しますが、二酸化炭素は増えることはありません。


 次回は、CO²ナルコーシスについて述べていきたいと思います。

2014年7月18日金曜日

呼吸性血液ガスを理解するために① ~呼吸性アシドーシスの腎代償~

 チーム医療の構築と患者さんやご家族に適切なアプローチをしていくためには、やはり医学的な知識が必要不可欠です。しかし私の知識には、doctorやnurseのレベルに至っていない現実があります。

 今回は呼吸性血液ガスを研修会や文献を用いて少しでも理解していけたらと思います。



 「呼吸性アシドーシスの腎代償について」

 生体の細胞が生きていくためには、エネルギー(ATP)が必要になります。そのために糖や酸素を取り入れてエネルギーをつくります。

 これらの作用から、生体内のゴミにあたるCO₂やHは、肺や腎臓によって捨てられます。もし、これらの不要なものが捨てられないと血液ガスに異常が表れてしまいます。

 正常に細胞が生きていくためには、pHの均衡が必要で、もし、PaCO₂が高くなってしまうとpHは下がって(酸性)になってしまいます。そこで、腎臓がHを排泄する際に、HCO₃というアルカリ性のものをつくろうとし、pHが正常値に近づこうとします。これが呼吸性アシドーシスの腎代償作用のようです。

 ここで注意しなければならないのは、HCO₃の値が上がっていないことがあります。これは遠位尿細管で再吸収を促進することでHCO₃の値を上げており、これらの作業には時間的なロスが発生するため、pHが正常値にならない時期があり、これを急性呼吸性アシドーシス(腎による代償がない状態)と言われます。これ以降、PaCO2が上昇しているのにもかかわらず、pHが正常値になっている場合(HCO₃上昇)、これを慢性呼吸性アシドーシス(腎による代償あり)と言われます。

 もし慢性呼吸性アシドーシスなのに、HCO₃が上昇していなかったら、腎臓に何らかの障害があると考えられます。


 次回は低酸素の主な原因について述べていきたいと思います。

2014年6月23日月曜日

AKA博田法 学術集会に参加して

 第15回、AKAの学術大会(大阪)に行って参りました。参加してみて改めて感じたことは、博田先生のすごさを見てショックを受けたことです。

 当たり前の話ですが、次元が違うと表してよいのでしょうか。この治療法は「博田先生だからできるのではないか」と思わされました。

 日本ですごいセラピストをたくさんみてきた私ですが、特に博田先生には「こんなのできっこない」とどん底まで突き落とされた感でした(博田先生はdoctorですが)。

 AKAインストラクターの先生方が「あの方と同じことをするのは無理」といっていた言葉が、素人の私でも何となく理解できました。文頭に述べた「ショック」とは、AKA博田法がいつか自分でも技術をなんちゃってレベルまでは習得できるのではというかすかな希望が打ち消されたことです。

 ここでAKAのことは何も語れない私が、いくら表現しようとしても無理があります。今回、AKAだけでなくどの分野にも大切なことだと発見させて頂いた内容について簡潔に述べさせて頂きたいと思います(あくまで私の主観的な解釈の内容になります)。

 特別講演された片田先生のお話でした。特に重要視されていたのは「科学」でした。AKA博田法でも、治療対象として評価されている「腰痛」そのものは、実のところ約85%は不明で、AKA博田法をのぞく治療法は確立されていない現状であるようでした。1950年代は椎間板がほとんどと言われていましたが、1990年にMRIが普及し始めると、椎間板に問題があるのにもかかわらず、腰痛の訴えがない人が多かったということで、筋結合組織や骨関連、精神疾患関連と幅広い視点で注目されるようになっているようです(逆に言えば診断が定まらずあやふやになってしまうため、治療法もあやふやになってしまう・・・)。

 このように、医学は様々な分野における規則や規則基準を学び、意見を一致させるように教育されているようです。研究においても、研究グループ内の業績を磨き上げようとし、研究内グル―プの求める情報が集まります。結果的に情報が集まるということは、科学的に証明していくという感覚に陥ってしまう。

 つまり、腰痛の原因が椎間板であると信じられ、それに対し、たくさんの情報を蓄積してきたけど、ある瞬間によってパラダイムシフトが起きてしまった。

 科学を証明するためには、技術を磨きあげる努力と、あたり前であることに捉われず、斬新な発想が必要であると述べられていました。最後まで自分を信じ、技術を磨き続けることの大切さを教えて頂いた気がします。

 AKA博田法は、様々な考え方のなかの一つの治療方法であり、今日の学術ではたくさんの方が参加されていました。おそらく、周囲から認められるまで、私には理解できない並みならぬ努力で培ってきたことが想像されます。

 AKA博田法はすばらしい技術であると思いますが、まずはその前に、規則や規則基準に惑わされず、今はたくさんの人が認めるこのすばらしいアプローチを築きあげてきた博田先生のすごさを、改めて学ばさせて頂いたことに感謝しています。

 努力を何もしていない人間が、「ショックを受けた」なんて思う資格はないですね。明日からはもう少し自分に厳しくしていける様、頑張っていきたいと思います。

2014年2月25日火曜日

眼球運動 ~上斜筋~

 私が経験する患者さんの多くは、眼球運動時、ある動きからすっと断続的になる人がいます。

 眼球のメカニズムは嫌になるほどの細かで複合的な構造になっているので、いつも理解に苦しんでいます。

 そこで、今回は上斜筋のみに注目してみました。





この文献によると、上斜筋は作用が複雑となっていて、

 例えば眼球が内転した場合、Y軸が上斜筋の長軸方向となり、眼球が下転方向の作用となります(左目の方を参照)。

 逆にY軸より36°外転位となると、下転の働きはなくなり内方回旋だけの作用となることが分かります(右目の方を参照)。

 これを他の筋が入るとさらに複雑になりそうです・・・。


 患者さんの断続的な動きは、このような筋の逆転作用も多少なりとも関与しているのでしょうか。



 この図は、上斜筋が単独で滑車神経核と連結している分かりやすい図となっています。

参考文献