2014年9月17日水曜日

CO₂ナルコーシスについて

 前回は低酸素の原因について述べてました。

 低酸素の改善には、注意しなければならない問題があるようです。

 慢性的にCO₂の上昇が続いていると、呼吸中枢である延髄は、低酸素で呼吸ドライブがかかっている状態になります。

 そのため、急に高濃度・高容量の酸素を吸入すると、延髄は勝手に安心してしまい、呼吸を抑制してしまう危険性が出てきます。


 従って、酸素は少しずつ延髄の反応を見ながら吸入していく必要があるようです。お医者様が急に酸素を挙げない理由が、このような点で関連しているんですね。


 延髄にはPaCO₂とPaO₂の影響を受けて呼吸促進をしていますが、この両者との関係を比べると特徴的な所がみえてきます。


 PaCO₂の場合、40mmHgから41mmHgの変化で反応しますが、通常80~100mmHgのPaO₂が60mmHg以下までに下がらないと反応しません。

 つまり、延髄呼吸中枢は、PaCO₂の方が敏感となり、少しのPaO₂減少では反応しません。


 CO₂ナルコーシスの状態が続くと、今度は頸動脈小体がPaO₂に敏感になります(酸素受容体で換気をすることになる)。


 従って、酸素を吸入する場合、60から90mmHgへあげたら、呼吸の抑制を避けるために、再度60mmHgに戻す必要がでてくるようです。

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