2013年1月13日日曜日

皮膚の独自性


 最近、リハビリテーションにおいて、「皮膚を考慮したアプローチ」が流行っていてるようです。私も勉強は全くしておらず知識はありませんが、皮膚と更衣や洗体の関係性について着目するようにはしています。

 皮膚について記載している文献より、おもしろい話があったのでご紹介させて頂きます。

 テーマは「背中を掻く無脳カエル」です。この本には、脳はたしかに重要な器官ではあるけども、脳をもたない生物はたくさん存在するし、決して脳だけが特別な器官であるとはいえないと述べられています。

 具体的にどのように切断したのかはわかりませんが、頭部を切り取ってしまった脊髄だけのカエルを使用し、そのカエルに皮膚への刺激応答を観察した実験の話でした。

 そのカエルを宙にぶらさげ、背中の一部に酸の刺激を与えると、後ろ脚でその部分をしきりに掻くというのです。しかも与えた場所に正確に。これは、脳がなくても正確に認識し、脚の個々の筋肉を選択的に活動させることができたというものです。

 脳がなくても、皮膚と脊髄の共同作業でこれだけのことができる。

 私の経験では、更衣や洗体を通して、その刺激に対して全身でその部分に着目する・応答する反応を示すことがあります。その結果、更衣や洗体だけでなく、基本動作全般に変化がみられることもあります。脳ではなく(あるいは脳だけでなく)、皮膚という独自性をもった結果と考えても良いのでしょうか。これは私にとって新しい謎です。このことで、対象者の捉え方・かかわりかたは随分変わってくるのかと思います。

 もう一度、感覚器と皮膚構造、脊髄について基礎から学んでいきたいと思います。
参考文献:

 
傳田光洋 第三の脳~皮膚から考える命、こころ、世界~ 朝日出版会社 2007.7.25

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