2012年6月10日日曜日

病気がストレスに関係することについて:Ⅰ

この間、臨床実習生とさまざまなお話を聞く機会がありました。教科書で載っている内容が臨床で応用的に捉えていくことが難しいということでした。この問題は、恥ずかしいことながら学生でもない私にもいえることでした。学生の立場・目線とした内容で進めていきたいと思います。

病気の発生学の進歩によって、その原因の多くがストレスにあることがわかってきているようです。そのストレスといってもさまざまで、「精神的ストレス」や「身体的ストレス」などがあり、私たちがストレスと自覚していなくても、体がストレス反応をおこすこともあります。

私たちの体で最初にストレスを認識するのは「脳」だそうです。全身にはりめぐらされた神経を通じて脳の「視床下部」というところでストレスを認識されます。ストレスが溜まると食べ過ぎや食べなさすぎるという話をよく聞きます。これは、ストレスをためこんだ「視床下部」が誤作動をおこしてしまうことが原因として表れるそうです(摂食障害)。

ストレス状態が長く続くと、病気の原因となるホルモンのバランスと自律神経のバランスが崩れ始めるそうです。脳の視床下部で受けたダメージを回復させるために、同じく脳の「下垂体」と呼ばれる場所に指令を出します。この「下垂体」は、ダメージ回復の実働部隊というべき副腎にストレス軽減に役立つホルモン(副腎のコルチゾール)を出させます。つまり、ストレスを感じるとコルチゾールの分泌量が増え、ストレスが解消されるとコルチゾールが正常化することがいえます。しかし、長く続いたことにより副腎は疲れ果て、視床下部は副腎の働きを抑制してしまいます。すると、ストレスがあるのにもかかわらず、コルチゾールが出ないという状況に追い込まれます。コルチゾールは疲労した細胞を元気にする働きを担っています。

次回、コルチゾールが出ないということがどのような影響を及ぼしてしまうのか。膵臓・インシュリン・糖尿病を用いた内容で進めたいと思います。

参考文献




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