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2022年3月24日木曜日

作業療法士という職種について(学校選びについて)

  個人的な見解ですが、教員と臨床を担っている立場として、作業療法士の数は圧倒的に少ないと思っています。






 





 就職の時期になると、作業療法学生1人に対して6~10施設から就職への依頼がくることもあります。













 作業療法士は、医療・介護領域においても、中心的役割を担う職種です。












 

 つまり、作業療法士は他の職種のことも理解しつつ、リーダー的存在としてチームをひっぱっていくことになります。













 身体機能にかかわる理学療法士以上に、応用的な動作へのアプローチが求められます。食事にかかわる言語聴覚士以上に、嚥下や姿勢、精神面へのアプローチが求められます。
















 それだけ作業療法士は必要とされる職業なんですね













 また作業療法士は、看護師や介護士さんのように夜勤がありません。














 残業も少なく、休日もしっかり確保されています。ゆとりのある生活スタイルを保つという意味では、作業療法士は非常に安定した職業といえるでしょう。













 作業療法士をめざす学校には大きく専門学校、大学に分けられます。














 学校を選ぶ基準はさまざまですが、私がおすすめする見方として以下の3点を挙げます(個人的な意見です)。

1:国家試験合格率

2:教員人数

3:付属病院の有無












1:国家試験合格率

 国家試験合格率は、学生や教員の関係性、そして学校そのものの環境の良さがもろにあらわれると考えることができます。













 一見、偏差値が高い学校でも、なぜか国家試験の合格率は低いことが頻繁にあります。












 つまり、学生や教員が国家試験に対してあまり取り組んでいない可能性があると考えることができます。

















 この点において、学校選びの基準として国家試験合格率は重要な見方になるでしょう。














2:教員人数

 当たり前のことですが、教員人数が多いほど、一人当たりの授業数やその他業務に割り当てられる量は減ってきます。














 つまり、教員人数が多いほど、個別で学生にかかわれる時間をもつことができると考えることができます。













 教員は常に精神的に安定した状態のなかで、学生への教育を提供できる環境下にいるということになります。













 学校を選ぶ際は、教員人数を注目することに価値があるといえます。ただし、注意が必要です。教員の数といっても、その教員が作業療法士であるかどうかが重要になってきます。














 作業療法士でない教員は、それに属する学科に深くかかわれないことが多いです。作業療法に関する指導ができない分、実習のサポートも薄くなってしまう可能性があると思います。
















3:付属病院の有無

 付属病院があるということは、卒業に必須な実習を身内で受けることができます。













 これは、教員そのものが学生に直接指導することができることに加え、教員と臨床スタッフのやりとりも密に行えることができます。














 担当する教員がいつでも早急に学生をサポートできる点でいえば、付属病院を有する学校を選ぶことは非常に有意義になるでしょう。












 この3つを担保している学校といえば、杏林大学保健学部作業療法学科になります。














 その他付属病院を有している学校には北里大学医療衛生学作業療法学専攻昭和大学保健医療学部作業療法学科もあります。















 近隣の大学もHPで確認しつつ、慎重に学校を選ぶことをおすすめします。













 今回の重要な視点として、大学教員の研究業績は省きましたが、研究業績の高さは教員そのもののレベルを反映すると考えることもできます。教員紹介のところで、研究業績を開示しているので、興味があればぜのぞいてみると良いかと思います。













 作業療法士は心身ともに負担のない職業で、年を重ねても健康な状態でお仕事ができる職業の一つだと思います。













 さまざまな職業と見比べてみて、もし興味があれば、ぜひ作業療法士を目指してみてはいかがでしょうか。

2021年8月12日木曜日

アイデンティティ文献検索とKHコーダーによる解釈

 
 先日、アイデンティティと精神的健康の関連について述べました。

 今回、作業療法におけるアイデンティティの国内論文の実態を把握しようと医中誌で検索したところ、該当する論文27件が確認されました。

 先行研究の文献研究を参考にし、27件の抄録をKHコーダーを用いて分析してみました。下記の図は共起ネットワークという図になります。

 検索キーワードを軸にしているので、「作業療法」と「アイデンティティ」は四角で囲まれています。

 この図から解釈すると、作業療法士には「職業」をキーワードとした尺度を用いて調査研究がなされていることがわかりました。

 別のグループでは、学生に対するアイデンティティの研究もヒットされているようです。尺度はPI(Professional Identity)を用いて検証がなされています。特に作業療法学生のPTは低い状況であることがわかりました。

 また、アンケートの妥当性、有効性を検証しているので、アイデンティティの指標を検討している段階なのかもしれません。

 セルフエフィカシーという用語も確認できました。やはりアイデンティティには、仕事の達成感や自身の可能性を把握するうえで必要な要因なのかもしれません。

 ちょろっと理学療法がでてきています。やはり作業療法を対象としたとき、理学療法もセットで検証されるようです。

 現段階のアイデンティティの指標として、作業療法士には職業アイデンティティ調査が、作業療法学生にはPIが、補足指標としてセルフエフィカシーが挙げられました。

 作業療法士のアイデンティティはどのような状況であるかについては、クリアになっていない、と判断してもよいのでしょうか。質的な研究はヒットされておりませんでした。

 自由回答等で明らかにすることで、より具体的な内容がみえてくるのかもしれません。


 

2021年8月9日月曜日

酸素飽和度について

  さまざまな資料を用いて酸素飽和度についてまとめていきたいと思います。


 まず、生命を維持するためには、エネルギーを消費続ける必要があります。


 それは、細胞が常に分裂し続けるということになるので、その都度エネルギーが必要になります。


 エネルギーを確保するためには、栄養が必要です。


 エネルギーに変換するためには、体温の維持や酸素の供給が必要といわれています。酸素があればあるほど、エネルギー変換は効率的になるようです。私たちのすべての細胞に酸素が必要になるということになります。


 そのためには、呼吸器系、循環器系、ヘモグロビンの協働作業が必要です。このうち、どれを欠いても息苦しくなると言われています。


 私たち作業療法士も、バイタルサインの一環として、呼吸器を測定する酸素飽和度を指標にすると思います(正式にはバイタルサインではなく、検査データであるそうです)。これには、percentageであらわれる数値で判断することが多いです。


 しかし、これだけでは不十分という見解もあるようです。酸素飽和度はどれくらいの酸素とヘモグロビンが結合しているか、その割合として表示されます。


 つまり、酸素飽和度が高くとも低くとも、ヘモグロビンの量によってその見方は変わってきます。


 酸素飽和度が90%前半でヘモグロビン量が多い場合と、酸素飽和度が90%後半でヘモグロビン量が少ない場合とでは、酸素化ヘモグロビンは前者の方が高いこともありえます。


 したがって酸素飽和度だけでなくヘモグロビン量も常に確認していく必要がありそうです。



 当たり前ですが、心拍数や呼吸数等さまざまな視点から対象となる方の呼吸器の状態を判断しなければなりません。その当たり前が私には難しい。



2021年7月20日火曜日

「揺する」ことの効果について

  私はタッチングの研究を行っていますが、現段階では「ストローク」のみの研究に留まっています。

 

 ストロークの他にも臨床で触れる方法はいろいろあると思います。私の場合は、皮膚のみをgraspしたり、筋をしっかりgraspしたり、皮膚・筋の伸長を促すような触れ方をすることがあります。


 なかでも自然と臨床で実施するのが、「揺する」タッチングです。どの位の強さで、どの位の揺れを引き出すのかについて、全く統一が確立しているわけではありません。これは患者さんによって大きく変わるので、統一性を図ることはかなり難しいです。


 この「揺れ」によって、患者さんの動きが良くなったり、心理的なリラックス効果を得られることを多く経験します。


 この研究はまだまだ少ないようですが、これらの効果の要因として胎児がお腹の中にいるときの「揺れ」と羊水によって刺激される産毛の「揺れ」を思い出しているのではないかという考えもあります(久住、2018)。


 また、揺らすことで、全身の関節や筋も動きますし、それに伴う支持面との接触によって緊張した筋が緩んでくることも考えられそうです。


 先ほどリラックス効果といいましたが、このリラックス効果により、消化・吸収、心臓や呼吸、排便、免疫、ホルモンなどの動きを調整する自律神経の動きが活性化される可能性もあるのではないかと思います。


 様々なメカニズムが複雑に絡み合って「揺れ」の効果が反映されるのかもしれません。私は専門ではありませんが、精神科の患者さんにも提供することに意義があるのではないかと考えております。


 心理的要因と関連しているという頭痛や慢性腰痛の方にもどれほどの効果をもたらすのか気になるところです。

 

 現在課題としている研究を終えることができたら、自律神経指標や心理尺度、エコーなどを用いてぜひ検証してみたいと思います。

2020年5月15日金曜日

肥満、糖尿病が脳卒中に与える影響について

 肥満と糖尿病が脳卒中の機能に強く関連している興味深い報告を拝見しました。




 この研究は脳卒中を呈する約3万人への横断的調査によるもので、肥満と糖尿病が機能障害に与える影響について検証したものです。




 この調査の結果、肥満、糖尿病どちらでも機能障害におけるオッズ比は高かったようですが、両方とも呈する脳卒中の方はオッズ比がより高かったことが明らかになりました。




 つまり、両方の要因を呈する方は、機能障害低下の最大の要因になる可能性が大いにありそうです。作業療法を提供するうえで、生活習慣の介入に着目すべきである、と述べられていました。


 
 脳卒中を呈する患者さんの予後予測にも重要な因子になりそうですね。肥満、糖尿病の筋活動の特徴についても、どのような研究が行われているか探る価値がありそうです。




引用文献:
Bailey R, Serra M, McGrath R. Obesity and diabetes are jointly associated with functional disability in stroke survivors. Disabil Health J. 2020, doi: 10.1016/j.dhjo.2020.100914.

2016年2月21日日曜日

PT・OTの非常勤のメリット

 非常勤のメリットがあげられる職業としては、私たちコメディカルが含まれているようです。

 資格とある程度の技量と経験によって、非常勤下ではどこへいっても対応できるという意味だそうです。もちろん、急性期から維持期、訪問などの分野としての専門性は異なってくるかもしれませんが。

 非常勤のメリットはやはり

「責任を負う必要がない」

これには、普段の書類関係や委員会、科内の会議等の残業がないことが挙げられそうです。学生をもつことも、新人さんを担当することもないのが魅力的です。つまり、

「患者さんだけの治療に専念できる」

ということになります。本来の技術職としての仕事に没頭できることにもなりそうですね(もちろん、学生さんや新人さんをうけもつことは良くないとは言っていません。必要な経験ですしとても勉強にはなると思います)。

 何故か技術職にもかかわらず、役職がついてくると患者さんから離れ、実際の治療もちょっと・・・というセラピストが多くなってきていると聞きますが。病院側の多くの評価は実際の患者さんとのやりとりで判断している訳ではありません。

 「病院経営療法士?!」

と言いたくもなることも。

 話がまたまたそれましたが、患者さんの治療に専念でき、また自分の時間ができるという点です。時間はお金で買えませんから。いろんなことに挑戦できます。今後のPT・OTの未来は暗い話ばかりだからこそ、自分の時間を作っていろんなことにチャレンジすることも必要なのではないかと思います。

 過去のブログで、お金と有意義な生活を比べた話がありましたが、今回の議題としては、非常勤は魅力的なものであると感じています。

 もちろん、デメリットもたくさんあります。社会保障をはじめ、自分で計画的にお金を管理する必要があります。でも週に3~4勤務することで社会保障が得られるところもあります。

 また、退職金もありますが、職場によっては基本給がとても低いところもあります。その意味では退職金は月にどれくらい貯蓄しているのかを計算すると・・・ということになります。実際に計算してみたほうがいいのかもしれません。

 退職金や賞与で常勤を選択するのであれば、基本給と昇給をよく確認した方がいいのかもしれません。

 そうなると、職場のストレスや心理的な縛り、時間等を考えると、非常に非効率な結果になっていることに気づくことがあります。働く場所・条件によっては時給にしたら、非常勤の方がよっぽどいいのかもしれませんね。

2014年11月20日木曜日

気功の先生による治療

 3ヶ月に1度くらいですが、気功の先生から治療を受けています。その先生から治療を受けた癌患者さん、ドクターがびっくりするくらい、癌を消してしまったというものすごい先生です。

 私も大学病院に勤務していた難病の患者さんが、ぜんぜん歩けず、栄養もよくならずといった難しい患者さんを受け持ったことがありました。この気功の先生を知ったのは、まぎれもなくその患者さんに教えてもらったのがきっかけです。驚くほどに、栄養状態はみるみるよくなり、歩行もできて、社会復帰したようです。担当のドクターもびっくり。かなり前なので疾患は忘れてしまいました・・・。

 最近、背中がうずいて、食欲もなく、足もひどく疲れていました。今日久しぶりに先生にお願いしたところ、胃が炎症しているとのことでした。痛みの箇所を背部と下肢で確認し、気功で気を入れてもらいました。その後は、フワフワした感触でしたが、食欲もあり、背中のうずきもありません。その後、頭をからっぽにする時間をつくるようにと言われました。そういえば、いつも何かしらやらなきゃやらなきゃとせかせかしていたような気がします。それが胃の炎症をつくり、外(筋肉)が対応し、経絡上でいう、背部や下肢の筋に移行していたのでしょうか。同じ治療者として、ものすごい技術と知識をもち、そして尊敬に値します。

 その先生は西洋医学に対して次のように話されています。本来、人は内臓や血管、神経、筋肉すべてつながっているのに、内科・外科と分け、それだけでなく、更に体のパーツに分けている。限られた診断・治療は、根本治療にならない。しっかりと原因を探らなくてはいけない。狭い部分をみて、すぐに薬を出したり、切ったりする。人の体に不必要なものはなく、決して切ってはいけない。だから、抗がん剤で、良い細胞も殺しては決してならない。本来治療者は、人が持つ回復力をどう援助するかである。

 リハビリテーションの世界においても、心理的側面と身体的側面を包括的に評価し、内臓や神経、リンパなどを視点としてかかわれる人は少ないと思われます。私も先生に怒られているような感覚でした・・・。

 今日も先生のお話を聞いて、再度患者さんを広い視野でみていきたいと思いました。何故、この人は病気になったのか、どんなストレスを感じていたのか、敏感な人なのか鈍感な人なのか、食生活は、職業は、家族は、趣味は・・・。気功の先生のようにはもちろんいきませんが、この治療体験を経験として、また明日から自分のリハビリテーション技術の向上につなげていきたいと思います。

2014年7月18日金曜日

呼吸性血液ガスを理解するために① ~呼吸性アシドーシスの腎代償~

 チーム医療の構築と患者さんやご家族に適切なアプローチをしていくためには、やはり医学的な知識が必要不可欠です。しかし私の知識には、doctorやnurseのレベルに至っていない現実があります。

 今回は呼吸性血液ガスを研修会や文献を用いて少しでも理解していけたらと思います。



 「呼吸性アシドーシスの腎代償について」

 生体の細胞が生きていくためには、エネルギー(ATP)が必要になります。そのために糖や酸素を取り入れてエネルギーをつくります。

 これらの作用から、生体内のゴミにあたるCO₂やHは、肺や腎臓によって捨てられます。もし、これらの不要なものが捨てられないと血液ガスに異常が表れてしまいます。

 正常に細胞が生きていくためには、pHの均衡が必要で、もし、PaCO₂が高くなってしまうとpHは下がって(酸性)になってしまいます。そこで、腎臓がHを排泄する際に、HCO₃というアルカリ性のものをつくろうとし、pHが正常値に近づこうとします。これが呼吸性アシドーシスの腎代償作用のようです。

 ここで注意しなければならないのは、HCO₃の値が上がっていないことがあります。これは遠位尿細管で再吸収を促進することでHCO₃の値を上げており、これらの作業には時間的なロスが発生するため、pHが正常値にならない時期があり、これを急性呼吸性アシドーシス(腎による代償がない状態)と言われます。これ以降、PaCO2が上昇しているのにもかかわらず、pHが正常値になっている場合(HCO₃上昇)、これを慢性呼吸性アシドーシス(腎による代償あり)と言われます。

 もし慢性呼吸性アシドーシスなのに、HCO₃が上昇していなかったら、腎臓に何らかの障害があると考えられます。


 次回は低酸素の主な原因について述べていきたいと思います。

2014年6月23日月曜日

AKA博田法 学術集会に参加して

 第15回、AKAの学術大会(大阪)に行って参りました。参加してみて改めて感じたことは、博田先生のすごさを見てショックを受けたことです。

 当たり前の話ですが、次元が違うと表してよいのでしょうか。この治療法は「博田先生だからできるのではないか」と思わされました。

 日本ですごいセラピストをたくさんみてきた私ですが、特に博田先生には「こんなのできっこない」とどん底まで突き落とされた感でした(博田先生はdoctorですが)。

 AKAインストラクターの先生方が「あの方と同じことをするのは無理」といっていた言葉が、素人の私でも何となく理解できました。文頭に述べた「ショック」とは、AKA博田法がいつか自分でも技術をなんちゃってレベルまでは習得できるのではというかすかな希望が打ち消されたことです。

 ここでAKAのことは何も語れない私が、いくら表現しようとしても無理があります。今回、AKAだけでなくどの分野にも大切なことだと発見させて頂いた内容について簡潔に述べさせて頂きたいと思います(あくまで私の主観的な解釈の内容になります)。

 特別講演された片田先生のお話でした。特に重要視されていたのは「科学」でした。AKA博田法でも、治療対象として評価されている「腰痛」そのものは、実のところ約85%は不明で、AKA博田法をのぞく治療法は確立されていない現状であるようでした。1950年代は椎間板がほとんどと言われていましたが、1990年にMRIが普及し始めると、椎間板に問題があるのにもかかわらず、腰痛の訴えがない人が多かったということで、筋結合組織や骨関連、精神疾患関連と幅広い視点で注目されるようになっているようです(逆に言えば診断が定まらずあやふやになってしまうため、治療法もあやふやになってしまう・・・)。

 このように、医学は様々な分野における規則や規則基準を学び、意見を一致させるように教育されているようです。研究においても、研究グループ内の業績を磨き上げようとし、研究内グル―プの求める情報が集まります。結果的に情報が集まるということは、科学的に証明していくという感覚に陥ってしまう。

 つまり、腰痛の原因が椎間板であると信じられ、それに対し、たくさんの情報を蓄積してきたけど、ある瞬間によってパラダイムシフトが起きてしまった。

 科学を証明するためには、技術を磨きあげる努力と、あたり前であることに捉われず、斬新な発想が必要であると述べられていました。最後まで自分を信じ、技術を磨き続けることの大切さを教えて頂いた気がします。

 AKA博田法は、様々な考え方のなかの一つの治療方法であり、今日の学術ではたくさんの方が参加されていました。おそらく、周囲から認められるまで、私には理解できない並みならぬ努力で培ってきたことが想像されます。

 AKA博田法はすばらしい技術であると思いますが、まずはその前に、規則や規則基準に惑わされず、今はたくさんの人が認めるこのすばらしいアプローチを築きあげてきた博田先生のすごさを、改めて学ばさせて頂いたことに感謝しています。

 努力を何もしていない人間が、「ショックを受けた」なんて思う資格はないですね。明日からはもう少し自分に厳しくしていける様、頑張っていきたいと思います。

2013年12月2日月曜日

呼吸と血圧について~患者さんの治療体験~







 上の図のように、呼吸の状態によって、静脈還流に影響を与える可能性があると考えらます。








 私が体験した麻痺の影響が少ない患者さんがおりましたが、その患者さんの立位時はフラフラ、呼吸に伴う胸郭の可動性は低く、常時高緊張を示しておりました。












 下腿後面筋はStiffnessで足部の浮腫みも認められていました。そして立位時をとった際は、いつも高血圧を示していました。











 ドクターによる基準はさまざまですが、一般に


「高血圧時はリハビリを控える」


と判断することがあると思いますが、状況に応じてできる限り動く機会を提供したいと思って取り組んでいます。








 そこで一つの仮説を立ててみました。












 この症例の高緊張と呼吸の問題は、足底からのfeed backシステムの破綻となり、感覚の欠如による立位時の精神的な負荷と自律神経系のアンバランス、そして静脈還流量の問題による洞反射が欠如しているのではないかといった安易な仮説です。












 また、可動性の低い胸郭は、ヘーリングブロイエル反射機構のweaknessを生じさせ、呼気量の低下に伴う静脈還流の低下が生じているのではないかと考えました。












 その結果、高血圧が生じているのではないかと考えました。














 治療としては、姿勢コントロールとしての下腿三頭筋が足部の感覚運動経験が得られるように留意し、活動を促していきました。














 
 状況に応じた下腿三頭筋の反応が感じられると、固定的であった上部体幹は若干ですが軽減し、胸郭の可動性が得られてきました。
















 その後のバイタルは安定してきました。こういったプロセスをよく経験することがあります。















 
 これらワードとして、呼吸・胸郭(ヘーリングブロイエル)、血圧、自律神経、姿勢コントロール筋群、足部の感覚器官、静脈還流量が挙げられました。















 


 この仮説はかなり安易に設定されたものであり、信憑性がありません。たまたまこのような現象がおきたのかもしれません。



























 これらの出来事を日々体験することが多いため、どんな形でもその理由についてまずは考えてみる。そうすることで視点の違いに気づき、患者さんの理解につながっていくと考えています。



参考文献
病気がみえる 循環器

2013年11月28日木曜日

Anticipatory postural adjustment APA's

 栃木ボバース研修会に参加してきました。

 久々にボバースの話を聞いてたくさんの刺激を受けることができました。

 今回頂いた資料をもとに、APA'sについて分かりやすく載っていたので、紹介させて頂きたいと思います。

 APA'sとは予測的な姿勢を調整するもので、用語は先行随伴性姿勢調節と言われています。これには2種類の機構があるようでした。


・Preparatory APA's
 準備的なAPAと呼ばれ、運動がおこる50~300ms前に起こるFeed foward系system。
  これは運動側に対する支持側の先行活動と上位運動神経系からの同側性の下行性制御で前庭脊髄路系や橋網様体脊髄路系が関与する。
 つまり、意図する動作の前に姿勢を調節することからpostural setの位置づけとなる。


・Accompanying APA's
 不随意的なAPAと呼ばれ、運動が起こっているときに起こるFeed back系system。
 皮質脊髄路系の末梢部の運動に先行して起こる近位関節周囲筋の活動で、主に運動プログラムとなる。
 つまり、動作中のFeed Backを受けて調節するため、postural controlの位置づけとなる。


※msミリセコンド→1000分の1秒。


 これらのことから、やはり環境と生物が相互作用して、進化を遂げてきた私たち人間は、積極的に外部環境に働きかけ続けていく過程にあると思われます。

 背臥位で、単に上肢の挙上訓練をやるよりも、何かに働きかけてリーチしていく活動や過程に、セラピストの存在に意義があるのだと思いました。


 中枢疾患でも整形疾患でも、APA’sの2つを検討することはとても難しいことですが、患者さんと一緒に、積極的に環境に働きかける姿勢が必要なのだと思いました。


 特に多関節運動連鎖という言葉がはやっていますが、これはfeed back系を強調するAccompanying APA'sの捉え方が重要であると私は思っています。


 患者さんを単に寝かして、いわゆるマッサージ的な対応は、リハビリテーションの定義から異なるものであると改めて感じました。


 もちろん、それが必要で、APA’sに作用させる効果もあるかもしれません。しかし、何も考えず、患者さんと環境との相互作用を考慮しない、単位水増しの対応では、何も改善が生まれないものと考えます。


  また、自分への新たな課題と見つめ直すきっかけをもらいに、ボバース研修会に参加させて頂きたいと思います。

 

2013年9月24日火曜日

カウンセリングの基盤として~フロイトの精神分析~

 フロイトの精神分析は、心理学、精神分野、芸術や哲学など、幅広い分野に影響を与えているようです。















 今日行われている様々なカウンセリングには、この理論の直接的な基盤となるものや、批判の対象として存在している理論があるようです。
















 フロイトの精神分析は、意識、前意識、無意識となる心の3つの水準から成っています。
















 この図(下手くそですが)にあるイド、エゴ、スーパーエゴがあります。
















 イド:
 本能的欲求で無意識

 エゴ:
 唯一外界(現実)とコンタクトする心の領域
 一部は無意識、一部は前意識、一部は意識

スーパーエゴ:
 意識、無意識であり、イドの要求を果たすために外界世界とコンタクトするエゴを抑制する
 この抑制が防衛機制に働きかけます。
















 
 図の通り、外界と接触しているのはエゴだけです。例えばウソップの防衛機制という有名な話で例えてみたいと思います。

 手に届かない、どのような手段であっても届かない葡萄があったとします。

 しかし、エゴと外界(葡萄)によって、イドは
「葡萄が食べたい」
という欲求を示します。













 ここでスーパーエゴは、ブドウを食べることができないため、食べたいという欲求を抑制しようと頑張ります。この状態が続くと、欲求を満たせない状況が続き、心に負担がかかります。











 そこで防衛機制が働きます。












「あの葡萄はすっぱいから食べないほうがいい」
といった思考をもつようにすることで、心の落ち着きを得ます(合理化)。














 このようにして、私たちは知らず知らずこのような防衛機制を行っていると言われています。















 犯罪心理学では、イドの欲望によって現実に作用するエゴを抑圧する機能、つまりスーパーエゴの衰退が例として挙げられています。




















 無意識の願望イドによる欲求は、幼児期に親から教育されて抑圧されていきます。まだまだエゴやスーパーエゴの機能は不十分であると予想されます。













 
 犯罪に染まってしまうことは、やはり幼児期からの親との関係性がとても大切なのではないかと考えられています。成長して社会に入っていくにあたり、他者からの指摘、そして自分自身を指摘するスーパーエゴとそれに応えるエゴが強化されることが重要と考えます。




















 一方で、犯罪率は高齢者が多いと言われ、そのほとんどは社会から見放された心理的側面が一部考察されています。このことから、エゴの機能不全は、環境的要因もあると考えています。





















 フロイトの精神分析におけるカウンセリングは、欲求に対して無意識的に抑圧してきた中味に触れていくというもののようです。
















 抑圧があれば良い、というものではないのですね。どのように抑圧していくかが大切なのでしょうか。

















 連想法や夢分析を用いて、抑圧された記憶の蓋をあけ、無意識を意識に変換し、歪みを形成している問題を把握しつつエゴを強化するそうです。
























 作業療法士が精神分析を行うことはないと思いますが、これについて学ぶことで、作業療法士が対象者の生活歴をはじめとするさまざまな情報を把握することがとても大切であることを改めるきっかけとなりました。




 

2013年1月13日日曜日

皮膚の独自性


 最近、リハビリテーションにおいて、「皮膚を考慮したアプローチ」が流行っていてるようです。私も勉強は全くしておらず知識はありませんが、皮膚と更衣や洗体の関係性について着目するようにはしています。

 皮膚について記載している文献より、おもしろい話があったのでご紹介させて頂きます。

 テーマは「背中を掻く無脳カエル」です。この本には、脳はたしかに重要な器官ではあるけども、脳をもたない生物はたくさん存在するし、決して脳だけが特別な器官であるとはいえないと述べられています。

 具体的にどのように切断したのかはわかりませんが、頭部を切り取ってしまった脊髄だけのカエルを使用し、そのカエルに皮膚への刺激応答を観察した実験の話でした。

 そのカエルを宙にぶらさげ、背中の一部に酸の刺激を与えると、後ろ脚でその部分をしきりに掻くというのです。しかも与えた場所に正確に。これは、脳がなくても正確に認識し、脚の個々の筋肉を選択的に活動させることができたというものです。

 脳がなくても、皮膚と脊髄の共同作業でこれだけのことができる。

 私の経験では、更衣や洗体を通して、その刺激に対して全身でその部分に着目する・応答する反応を示すことがあります。その結果、更衣や洗体だけでなく、基本動作全般に変化がみられることもあります。脳ではなく(あるいは脳だけでなく)、皮膚という独自性をもった結果と考えても良いのでしょうか。これは私にとって新しい謎です。このことで、対象者の捉え方・かかわりかたは随分変わってくるのかと思います。

 もう一度、感覚器と皮膚構造、脊髄について基礎から学んでいきたいと思います。
参考文献:

 
傳田光洋 第三の脳~皮膚から考える命、こころ、世界~ 朝日出版会社 2007.7.25

2012年4月23日月曜日

手がトイレ動作や歩行に与える影響について~頭頂連合野~

・この患者さんは被殻出血の方で、注意や空間などにおける高次脳と、左片麻痺の問題を呈していました。

・特に手が開かず患者さん自身も気になっている方でした(感覚が過敏で痛みも認められていました)。手に積極的な方であることをポジティブな要素として、治療に取り入れていきました。

・トイレ時にズボンの着脱を行っていた際に、ふらつきが強く、転倒する危険性があり介助が必要な方でしたが、治療後の手の変化に伴い、ズボンの着脱が監視で実施できるようになりました。



ご自分で手を開こうと頑張りますが、余計に屈曲への抵抗を強める傾向にありました。











介入後は手の開排が可能になり、ご自分でも指を動かせる位になりました。

この後に触れても過敏性はなく、屈曲を強めることはなくなってきました。



・何故トイレ動作や歩行などにも変化がみられたのか。手との関係性はどうなのか考えていました。抹消からの問題が姿勢制御に重要な「上肢」そのものに影響を与えることは、とてつもない浅い私なりの考えがありましたが・・・。

・文献では、発達のプロセスにおいて、頭頂連合野の重要性について述べていました。サルの実験において5野と7野は、手の存在を通して、身体図式と空間認知の機能を担っており、赤ちゃんが仰臥位で空間に手を伸ばすことからこの働きがすでにはじまっていると述べています。

・今回、手が外界へ探索していくための体性感覚受容器に変化をもたらしたため、体性感覚情報(上肢や上部体幹など)や空間情報とを統合させる頭頂連合野に何らかの影響を与えることができたのではないかと、かなりポジティブな考えで、私自身をなだめてみました。

久保田競:手と脳~脳の働きを高める手
塚本芳久:臨床家のための発達科学入門.運動の生物学(2)

2012年4月12日木曜日

リーチ動作と把握運動

片麻痺患者さんの非麻痺側の把握運動時、なぜか物を下方に押し付ける傾向にありました。そこで文献を探していると、発達にそった内容が発見できました。

「大人は、対象物に手が届くと、持ち上げる段階で手から落ちない程度の力で掴む。これらの動作は触覚的入力に依存しているのではなく、物に触れる前から既に始まっている。」

「2歳以下の子どもは物を掴んでも持ち上げようとせず、下方へ押しつけてから持ち上げる傾向にある。」

と述べていました。片麻痺患者さん、発達の話・・・。この2つの話を無理やりにでも共通する部分を考えました。文献では「物に触れる前から既に」「片麻痺患者さんは大人」。う~ん。おそらく姿勢制御や蓄積された経験や運動学習によるものが含まれていると私なりに考え、片麻痺患者さんにかかわってみました。

①リーチ時に頭頸部の伸展から開始していたため、介入にて頭頸部の伸展が起きないような場面をつくると、物を下方に押し付ける反応がみられなくなった。
②その他の患者さんではもちろん方向によって反応の違いはあるが、繰り返していくうちにリーチ時の姿勢反応に変化がみられ、物を下方に押し付ける反応がみられなくなった。

①は、中大脳動脈領域広範囲の方で②は基底核の患者さんでした。
①は、リーチする前の構えを行うための手がかり(簡単にごまかしてしまうと安定性)が提供できたからなのでしょうか。他の文献によれば、首のすわらない赤ちゃんを、首を支えてあげるとリーチが上手になると述べていました。
②は、何度も行っていくうちに、自己と物との距離間を学習したのか、リーチ運動が効率的になっていました。これはリーチの軌跡に関与していると考えてよいのでしょうか。

話が変わりますが、今日英会話の寄り道にg・uという服屋さんで初めて買い物をしてしまいました。すごいですね。値段にとてもびっくりです。ユニクロよりも安く、デザインがかっこいい。服を買うときはこれからここでも良いと思いました。
目標としている海外留学・大学院に向けて、服以外でも上手なお金の使い方についてたくさん学んでいきたいと思います。

参考文献:

2011年11月19日土曜日

リーチ動作における多関節運動学~筋活動の変化~

 前回のブログで、リーチ動作の話をさせて頂きました。


 今回の文献にも前回の内容と共通する重要な部分があると感じたので、紹介させて頂きます。
2つの関節の組み合わせ運動を遂行する際に、その原動力となる主動筋は、両関節周囲にあると述べられています。


ヒトが運動に入る際は、人間の構造上、多関節にわたって全身活動として表れます。


図は上肢のみですが、多関節運動下では、各関節動作の主動筋を一律に考えるのではなく、多様な活動と機能を考える必要があると述べています。


・等尺的に矢印の方向に力を発揮した場合、肩関節屈曲(三角筋前部)と肘関節伸展(上腕三頭筋)を組み合わせた押し動作となる。





・AとBでは同じ重量をもっても、矢印方向によっては原動力となる主動筋は最大活動を示すとは限らない。


・このように筋活動からみると、主動筋の中には、最大挙上重量に対する割合より低い活動しか行っていない主動筋が存在する→鍛えたい筋に対して有効な負担量になっていない場合がある。

 
 前回のブログの参考も加えることによって、この図も、物を持ったときの傾きや重量変化に対して、多関節に渡り固有感覚情報をキャッチし、脳が筋活動の微妙な割合をコントロールすることで成り立っているものだと私は考察しています。
 
 この文献から考えた場合、学生レポートに必要な検査にMMTがあります。

 もし、学生と同じ条件下で評価する立場となったら、今の私でも学生と同じ検査結果と考察の不一致が生じるかと思います。

 つまり、MMTの結果だけでは説明ができないことが多いとういことですね。


 学生さんを指導する難しさを痛感しています。

参考文献:

2011年11月13日日曜日

リーチ動作におけるplanning機能~固有感覚の重要性~

 日頃、上肢に対して、物を介した訓練と介さない訓練を行うことがあります。この違いにどんな影響があるのかを専門職として考えなければならないと思っています。が、日々患者さんの反応をみて考察する過程は、私にとってはとても難しい問題です。ボーっと文献を眺めていたら、1つ興味深い内容を発見することができました。
  今回は、何かに手を伸ばす時、神経学的にどのように成り立つかを調べていました。手の構え(プレシェーピング)は、物の形状を視覚的に捉え、その対象物の特徴を記憶と皮質でplanningされることで形成すると言われています。私の中ではこの時点でリーチ動作のplanningが成立するものと考えていました。
ordonGetzによると、
抹消の太い軸索群に神経障害を有する患者は、触覚や位置感覚、伸張反射がない。対象物に腕を伸ばしてつかむ時に目を閉じると、動いている腕からフィードバック情報が入らないため、正確な到達運動ができない(距離感のとり方を記憶しているのにもかかわらず)。また、彼らは到達運動のplanningができないこと研究で分かった。固有感覚の情報は、肢の状況を内的に再現し、刻々更新することに貢献する。

この話によると、絶え間ない更新がないと、動作を導くのに使われるplanning機能が起きなくなるようです。言い換えると、planning形成に必要な皮質の働きが起きなくなると考えることができるようです。これを考慮して患者さんを分析するとなると、最初から終わりまで、どのフェーズで失敗しているのかをしっかり見極めないといけないと改めて考えさせられました。でだしの手指・手関節か?その前の視覚か?記憶か?中間地点の肘の役割か・・・。


患者さんを簡単に高次脳(失行など)と決めつける私。この文献を読んで、とても無責任さを感じました。

参考文献:

2011年10月23日日曜日

夜間痛を伴う肩関節周囲炎の患者さんを担当して

 原因不明の肩の痛みが発生し、肩関節周囲炎の診断を受けた患者さんを担当しました。肩はほとんど動かすことができず、特に肩の前面に触れるだけでも痛みが生じる程でした。夜間痛はあり、熱・発汗が生じ、ほとんど寝むれない状況でした。

 肩関節周囲炎の定義は、
「病理組織学的に関節包の慢性炎症を伴った肥厚と収縮であり、このような病態に対して、炎症部位に機械的刺激をかけないようにし、炎症の沈静化が最も重要となる。また、原因が明確でない拘縮肩に対する総称であることが多い。」
といわれています。

 実際の患者さんの肩をおおざっぱに確認すると、肩関節三角筋前部・中部、二頭筋、大胸筋や小胸筋の持続的な過剰収縮を触れて確認できました。相反する筋は低緊張で働く機会が得られにくい状況でした。アプローチとしては、
「防御収縮による二次的疼痛、そして慢性化・不眠による組織修復をする成長ホルモン分泌の低下を考慮する」
を参考にし、第一優先として、
   過剰収縮が起きない場面をつくり、
   睡眠が十分にとれること
に専念しました。

 リハビリではベッド上で過剰収縮が起きない姿勢コントロールの獲得やベッドアップの角度、ポジショニング、臥位で疼痛のないとり方を患者さんと確認しました。すると、次の日には痛みはほとんどなく、触れることやご自分で動かすことが可能となりました。リハビリで行った内容を注意することで、夜の痛み・熱・発汗もなく、よく眠れたとのことでした。患者さんもびっくりされていました。

 今回の結果から、
・夜間寝る姿勢によって関節内圧が変化し、それに伴って過剰な筋収縮が伴っていた・・・文献Ⅰ
・関節包の影響から関連痛として肩前面に痛みが生じていた・・・文献Ⅱ
・睡眠が十分にとれず、自律神経系の調節に影響をあたえていた・・・
と考察しました。

 肩の問題を考える要因は無限大にあり、この考察だけではほど遠く、むしろ検討違いの部分もあるかもしれませんが、私なりに文献と臨床を照らし合わせる作業をしてみました。
もしかしたら、病態そのものが急に改善した可能性もあったと思います。


文献Ⅰ:
関節内圧の正常は下垂位で-50cmH2O程度の陰圧を呈している。関節炎などが生じると、反射性筋緊張により内圧が上昇する。さらに関節包の容量や伸張性が低下して全可動域で内圧が上昇傾向を示す。
夜間痛に関連する因子として、肩峰下滑液包圧が挙げられ、姿勢によって圧が高くなる。


文献Ⅱ:
関節内圧の上昇により関節包に存在する関節受容器を刺激して疼痛が発生するとともに、周囲筋群の緊張性収縮を生じて更なる圧上昇の原因になる。
関節包からの求心線維と皮膚からの求心線維が脊髄後角の同一ニューロンに収束するため、関節包からのインパルスを脳では皮膚と認識する。







参考文献:


MEDICAL REHABILITATION no.79―Monthly book リハビリテーションにおける疼痛コントロール

2011年10月3日月曜日

歩行における上肢の関連性






















 作業療法士が上肢をアプローチすることによって、何故か歩行が上手になる場面を遭遇することがあると思います。


















 対象者がADLに歩行を必要とするのであれば、作業療法士も歩行の分析が必要だと思っています。



















 臨床では、肩の痛みを伴う方が多く、歩行に必要な上肢のコントロールが不十分な方が多く見受けられる印象をもっています。





















 



















12は高齢者と若年者において、歩行時の上肢関節角度について研究された文献をみつけました。特に高齢者のほとんどが、
「肘が伸展しない・肩が屈曲しない」
ことがわかりました。











 このことによって、非麻痺側のヒール・コンタクトを阻害し、歩行スピードや歩幅にも影響していることを述べられています。私の臨床経験では、対象者は何故か、「非」麻痺側なのに、非麻痺側の臀筋や体幹の筋活動のタイミングがずれ、結果的にweaknessへ陥っているのではないかと考えることが多いです

















 外側系はもっと中枢よりにあると学生の頃から思っていました。



















 図3をよくみると、外側系はほぼ末梢の方にあるようです。内側系は体幹部分に加え、上肢でいえば前腕部分まで広く分布されています。




















 歩行も含め、応用動作におけるADL場面では、上肢を考慮した評価が必要不可欠なのだと改めて考えされられる図であると思っています。

















「廃用手=治療対象ではない」
 よく聞く言葉です。しかし、作業療法士として、本当にそうなのかをしっかり考えていきたいと思います。