2021年8月12日木曜日

アイデンティティ文献検索とKHコーダーによる解釈

 
 先日、アイデンティティと精神的健康の関連について述べました。

 今回、作業療法におけるアイデンティティの国内論文の実態を把握しようと医中誌で検索したところ、該当する論文27件が確認されました。

 先行研究の文献研究を参考にし、27件の抄録をKHコーダーを用いて分析してみました。下記の図は共起ネットワークという図になります。

 検索キーワードを軸にしているので、「作業療法」と「アイデンティティ」は四角で囲まれています。

 この図から解釈すると、作業療法士には「職業」をキーワードとした尺度を用いて調査研究がなされていることがわかりました。

 別のグループでは、学生に対するアイデンティティの研究もヒットされているようです。尺度はPI(Professional Identity)を用いて検証がなされています。特に作業療法学生のPTは低い状況であることがわかりました。

 また、アンケートの妥当性、有効性を検証しているので、アイデンティティの指標を検討している段階なのかもしれません。

 セルフエフィカシーという用語も確認できました。やはりアイデンティティには、仕事の達成感や自身の可能性を把握するうえで必要な要因なのかもしれません。

 ちょろっと理学療法がでてきています。やはり作業療法を対象としたとき、理学療法もセットで検証されるようです。

 現段階のアイデンティティの指標として、作業療法士には職業アイデンティティ調査が、作業療法学生にはPIが、補足指標としてセルフエフィカシーが挙げられました。

 作業療法士のアイデンティティはどのような状況であるかについては、クリアになっていない、と判断してもよいのでしょうか。質的な研究はヒットされておりませんでした。

 自由回答等で明らかにすることで、より具体的な内容がみえてくるのかもしれません。


 

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