日頃、上肢に対して、物を介した訓練と介さない訓練を行うことがあります。この違いにどんな影響があるのかを専門職として考えなければならないと思っています。が、日々患者さんの反応をみて考察する過程は、私にとってはとても難しい問題です。ボーっと文献を眺めていたら、1つ興味深い内容を発見することができました。
今回は、何かに手を伸ばす時、神経学的にどのように成り立つかを調べていました。手の構え(プレシェーピング)は、物の形状を視覚的に捉え、その対象物の特徴を記憶と皮質でplanningされることで形成すると言われています。私の中ではこの時点でリーチ動作のplanningが成立するものと考えていました。
CordonとGetzによると、
抹消の太い軸索群に神経障害を有する患者は、触覚や位置感覚、伸張反射がない。対象物に腕を伸ばしてつかむ時に目を閉じると、動いている腕からフィードバック情報が入らないため、正確な到達運動ができない(距離感のとり方を記憶しているのにもかかわらず)。また、彼らは到達運動のplanningができないこと研究で分かった。固有感覚の情報は、肢の状況を内的に再現し、刻々更新することに貢献する。
この話によると、絶え間ない更新がないと、動作を導くのに使われるplanning機能が起きなくなるようです。言い換えると、planning形成に必要な皮質の働きが起きなくなると考えることができるようです。これを考慮して患者さんを分析するとなると、最初から終わりまで、どのフェーズで失敗しているのかをしっかり見極めないといけないと改めて考えさせられました。でだしの手指・手関節か?その前の視覚か?記憶か?中間地点の肘の役割か・・・。
患者さんを簡単に高次脳(失行など)と決めつける私。この文献を読んで、とても無責任さを感じました。
参考文献:
参考文献:
リーチ・・・。
返信削除私の時期別での課題です・・・。
あと少し!
やらなければ・・・。
人見くんのブログを見て、考えさせられることがたくさんで!
とても楽しいです。
だんさん
返信削除コメントありがとうございます。
時期別での講義、とても大変な仕事だと思います。
それだけでなく、活分のまとめ役として頑張っているだんさんの話を聞いてとても刺激になっています。
私も頑張らないと・・・。