くも膜下出血後重度の左片麻痺を呈した寝たきりの患者さんの体験話です。
腹臥位を促したところ、普段端坐位もとれない方が、体幹(特に下部体幹)の可動性が呼吸とともに変化し、端座位もとれるようになりました。この患者さんは胸膜炎を一度起こして入院されています。
腹臥位と呼吸リハビリの重要性について載っている文献に当てはめてみたいと思います(単に当てはめるのはいけないと思いますが、知識のない私にはまず学びのために・・・)。そしてこの本は注意障害の私にとっても非常に読みやすい本です。
・絶対安静・仰臥位のリスク
① 肺胞動脈血分圧の低下
② 肺内シャントの増加
③ 動脈血酸素分圧の低下
④ 機能的残気量の低下
⑤ 下側肺に生理的変化
⑥ 下側肺障害の発生
寝たきりになると、繊毛運動が低下、気道内の分泌物貯留するようですが、これらは重力により特に背側にたまるようです。
背側の全域が抹消からつぶれてしまうと機能的残気量が低下し、換気ができなくなるようです。この状態が続くと肺内シャント血流が増加し、下側肺障害を発症する要因になるといわれています。
この文献では仰臥位をできるだけ避け、可能な範囲で側臥位や腹臥位の反復をすることをすすめておりました。
この内容が、端座位がとれるすべての要因に当てはまったとは思ってはいません。たしかに体幹背部が大きく変化していました。それに伴い肩甲胸郭関節となる肩甲骨の動きも、座位における空間で定められる範囲が広がったことも大きな要因になったと考えています。
動きを止められていた横隔膜や血流変化による臓器機能の影響も考えられるのでしょうか。今後も、寝たきり・肺疾患・心疾患などのポジショニングを検討し、どのような影響を与えていくことができるかを考えていきたいと思います。
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