作業療法士が上肢をアプローチすることによって、何故か歩行が上手になる場面を遭遇することがあると思います。
対象者がADLに歩行を必要とするのであれば、作業療法士も歩行の分析が必要だと思っています。
臨床では、肩の痛みを伴う方が多く、歩行に必要な上肢のコントロールが不十分な方が多く見受けられる印象をもっています。
図1・2は高齢者と若年者において、歩行時の上肢関節角度について研究された文献をみつけました。特に高齢者のほとんどが、
「肘が伸展しない・肩が屈曲しない」
ことがわかりました。
このことによって、非麻痺側のヒール・コンタクトを阻害し、歩行スピードや歩幅にも影響していることを述べられています。私の臨床経験では、対象者は何故か、「非」麻痺側なのに、非麻痺側の臀筋や体幹の筋活動のタイミングがずれ、結果的にweaknessへ陥っているのではないかと考えることが多いです。
外側系はもっと中枢よりにあると学生の頃から思っていました。
図3をよくみると、外側系はほぼ末梢の方にあるようです。内側系は体幹部分に加え、上肢でいえば前腕部分まで広く分布されています。
歩行も含め、応用動作におけるADL場面では、上肢を考慮した評価が必要不可欠なのだと改めて考えされられる図であると思っています。
「廃用手=治療対象ではない」
よく聞く言葉です。しかし、作業療法士として、本当にそうなのかをしっかり考えていきたいと思います。
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