2015年12月10日木曜日

大腿筋膜張筋 ロルフィングの文献より

 大腿筋膜張筋。患者さんの多くはこの部位の張りがとても強くしている印象があります。書籍やネットでは、いかにこの部位を緩めることが重要かを説明されています。股関節周囲が安定しないなか、腰椎の代償と連動し、長い特徴を生かしながら「張り」をつくり、安定させているように思えています。一つの考察ですが、股関節周囲が安定した環境下でないと、この筋を緩められない・緩めてはいけないように思うことがあります。
 下のロルフィングの文献を参考にすると、上殿神経支配である殿筋群(それぞれ作用するタイミング・力は異なるなか)たちがいかに分節的に活性化させるかが重要なポイントになると思われます。殿筋群のみならず、大きな大腿筋膜張筋は接する筋との関係性も考慮しなければならないと言われています。この筋の付着はまた、大腿骨の長さに沿っていないということから、大腿骨の位置によって、筋の作用も変化しそうに思えます。腰や膝に関連する筋として、評価の指標の一つにしても良いのでしょうか?
 アスリートのトレーニングでは、この部位はオーバーワークや筋膜を短くしてしまう傾向にあると述べているように、きちんとした専門家で対応しないと、瞬時に対応できる股関節筋として機能することが難しいと思えます。
 単純に筋力強化してきた野球選手よりも優秀な成績を収めたイチローは、おそらくこの部位の研究も少なからず考慮していたのかもしれません。

Most important of the abductors of the thigh is tensor of the fascia lata.
When this muscle shortens, the attached dense fascial band abducts the thigh.
The tensor is related to the gluteus medius and minimus, un that all three are innervated by the superior gluteal nerve.
Thus modification of any of these is likely to affect the others.
It should be noted that iliotibial band is not attached to the femur along its length.

Persistent overexercise shortnens the fascial tract, giving rise to the unsightly bulging of the usual athlete’s 


2015年11月2日月曜日

ド素人の統計学 ~帰無仮説~

 大の苦手、つい逃避してしまう「統計学」ですが、多くのなかの一つに帰無仮説に疑問をもっていました。

 なぜ
「仮説検証したい事柄に対して否定的な仮説をわざわざ検証するのか」

です。今回は大学のゼミの仲間から分かりやすい資料を頂くことができたので、参考にしてみたいと思います。

 この文献では、肺がんの発生率と禁煙パンフレットの効果を検証したという例題が挙げられていました。肺がんには禁煙パンフレットの効果があるという分析です。

 私たちが行う研究題材は、対象者全体で行うことはまず難しいことは明らかです。したがって、

「ある一部のサンプルを通して、全体を推測する」

ということになります。

 サンプルの結果は、さまざまな要因が絡み合ってくると言われます。もしかしたら、パンフレットの意味が全く成していない可能性も考えられます。従って逆の仮説、

「禁煙パンフレットと肺がんの発生率の関係は無関係である」

という帰無仮説を否定できれば、ある一部のサンプルを通して全体を推測する可能性の広がりを示すことになります。

 なるほど、なんとなくですが、なんとなく理解できた気がします。

 実際に否定できるかどうかの判断は、p値の大きさで判断するようですが、ここの時点で頭がパニック状態となっているため、割愛しています。


 心理学の方に聞いた話ですが、統計学から得た知識は、実際の現場では2割出せたら良い方であると聞きました。ここからは、ド素人の私の考えになりますが、あくまで仮説したい事柄の否定的なもの(帰無仮説)を仮説検証することになるため、さまざまな結果がでても現場には

「皆同じように実施し、同じように結果がでる」

ということにならないのだと思われました。リハビリの世界でも、統計学的に正しい結果がでてるのであれば、みんな同じことをやればいいのに。と若いときは何度も思ったことこがあります。


 一方、ナイチンゲールは、個別性を見極めることが重要であることを述べていました。統計学を否定しているわけではありませんが、私も個別性は重要視しています。しかし、個別性を見極めるには、統計学的な見解を知ることで、より深まるものであることも確かだと思っています。

 私は研究者ではないため、専門的な統計技術を得るつもりはありませんが、多くの優秀な研究者たちの蓄積と知見は、私たち現場の人間が一番吸収しなければならないと思います。そのためには、最低限の知識が必要になると思っています。



※私の解釈は非常にあやしいです。以下の文献で実際に読んで頂けれたらと思います。
参考文献:松山 裕 統計学再入門 統計的仮設検定と効果の推定 心身医学書 Vol.53 No.7.2013

2015年8月2日日曜日

コルチゾールとPTSD

 久々のブログ更新です。

 大学院のテスト対策で調べていたところ、コルチゾールとPTSDに関連があるということを知ることができました。

 私の過去のブログでは、ストレスを受けると、視床下部が反応し下垂体へ、そして副腎のコルチゾールを分泌し、膵臓にてインシュリンを使い、糖を細胞へ入れ、ストレスを受けた細胞の傷を癒すということを述べました。

 PTSDによる長期間によるストレス反応は、これらの機能を疲労させてしまいます。疲労するとコルチゾールは、
「これ以上疲れさせると糖尿病になる、やめろ!」
と、PTSDに関連する海馬に信号を送るのだそうです。言うことを聞かない海馬は、コルチゾールの更なる攻撃によって、海馬の機能を低下させてしまいます。

 つまり、コルチゾールは、強いトラウマを緩和するために脳の海馬を萎縮させる能力があると考えられているんだそうです。

 コルチゾールと腰痛などの身体の疼痛、睡眠や不定愁訴などの自律神経系、脳神経系、内部疾患系・・・たくさん関連がありそうですね。

 将来開業するためには、積極的に勉強していくべき分野になりそうです。

2015年2月12日木曜日

伸張反射について


 伸張反射は学生の頃から苦手意識があり、理解に悩むことがたくさんありました。今でも学生をみていて伸張反射を生理学的に理解し、臨床に応用することにむずかしさを覚えます。

 上では一つの例として挙げています。例えば、やけどを負う危険のある熱が手に触れてしまったとき、私たちは大脳皮質から「手を避けなさい」と命令するようでは、どうしても信号のやりとりが遅くなってしまい、身体にとても危険を及ぼしてしまう可能性があります。そこで、脳には至らず、脊髄レベルでのやりとりによって、このような危険な場面に対し、的確にす早く身体が対応することができます。
 
 伸張反射は単シナプス反射と呼ばれますが、実際は、筋紡錘から延びる感覚線維は、介在ニューロンや感覚ニューロン、視床など、脳にも投射しています。そこから、脳で処理した情報は運動ニューロンへ戻り、並行した反射弓を形成します。したがって、伸張反射は、「多シナプス反射」性の成分を持っていると言われています。

 スポーツ選手が緊張してしまうと、半分の力を出せない例もたくさんあります。それだけ、伸張反射は環境に左右されてしまう複雑な存在なのだと思われます。セラピストや学生さんは患者さんにとってとても重要な環境因子になります。つまり、患者さんはセラピストや学生さんにうける影響は強く、異なる反射がみられる可能性が考えられそうです。