2012年1月5日木曜日

神経筋システムの適応能力

  神経筋システムは適応能力があり、中枢神経系から筋システムに送られる情報が変化すると、筋組織の構造と機能を変化させるかもしれない。また、逆も同様である。例えば、中枢神経系障害が原因で筋の使用方法が変化すると、結果として中枢神経系の機能と構造も変化する。これには、individual, functional task, enviromentとの相互作用を背景にわかりやすく説明されています。

  近代ボバース概念 ‐理論と実践‐ Bente E. Bassoe Gjelsvik, 新保松雄、金子唯史、佐藤和命より

 

 他の文献ではこの下の図を用いて、

 「ヒトは、年余にわたって内在する精神‐情緒状態とともに、姿勢そのものが影響を受け、構造面あるいは心理面の治療が必要になる。」

  Thomas W. Myersより

「負の情動はすべて屈曲となって現れる」

  Feldenkrais Mより


  と述べていました。このことから、対象者を評価するにあたって、そのヒトの生き方や性格等の情報はとても重要なのだと改めて考えさせられました。やはり、心理学を学んでいることは無駄ではない。そう思うとテンションが高くなりました。















2012年1月2日月曜日

社会心理学 ~組織と集団~

新年あけましておめでとうございます。
2012年初ブログは社会心理学について述べさせていただきたいと思います。
大学の授業で、社会心理学の魅力に圧倒されました。この分野は本当の楽しいです。
ほんの一部ですが、一つ授業で習ったことをご紹介させていただきます。

組織や集団における日本特有の社会心理学の捉え方では、2‐6‐2の法則があるといわれています。具体例を挙げると、上層部が2割、中堅にあたるのが6割、悪い言葉で説明してしまうと、下の立場で、いつも怒られてしまう立場の人間が2割。

では、下の立場の人間2割と中堅にあたる人間2割を入れ替えたとします。すると、必ず怒られる人間が2割できてしまうらしいのです。

新人さんが入社すると、今まで怒られていた2年目の社員さんが、急に怒られなくなる。かといって、仕事が急にできるようになったわけでもなく・・・。よく思い浮かべると何となくわからなくもない気がします。一気に新人さんに視線の向きが変わるのでしょうか。同じ内容のミスをしたとしたら、新人さんが目立つのかもしれないですね。見方を変えると、怒られる立場の人間がいるから、上層部の立ち位置がより明確になるともいえるかもしれません。

職場の上司は、私の存在(ダメ人間)のおかげで光っている!?

2011年11月19日土曜日

リーチ動作における多関節運動学~筋活動の変化~

 前回のブログで、リーチ動作の話をさせて頂きました。


 今回の文献にも前回の内容と共通する重要な部分があると感じたので、紹介させて頂きます。
2つの関節の組み合わせ運動を遂行する際に、その原動力となる主動筋は、両関節周囲にあると述べられています。


ヒトが運動に入る際は、人間の構造上、多関節にわたって全身活動として表れます。


図は上肢のみですが、多関節運動下では、各関節動作の主動筋を一律に考えるのではなく、多様な活動と機能を考える必要があると述べています。


・等尺的に矢印の方向に力を発揮した場合、肩関節屈曲(三角筋前部)と肘関節伸展(上腕三頭筋)を組み合わせた押し動作となる。





・AとBでは同じ重量をもっても、矢印方向によっては原動力となる主動筋は最大活動を示すとは限らない。


・このように筋活動からみると、主動筋の中には、最大挙上重量に対する割合より低い活動しか行っていない主動筋が存在する→鍛えたい筋に対して有効な負担量になっていない場合がある。

 
 前回のブログの参考も加えることによって、この図も、物を持ったときの傾きや重量変化に対して、多関節に渡り固有感覚情報をキャッチし、脳が筋活動の微妙な割合をコントロールすることで成り立っているものだと私は考察しています。
 
 この文献から考えた場合、学生レポートに必要な検査にMMTがあります。

 もし、学生と同じ条件下で評価する立場となったら、今の私でも学生と同じ検査結果と考察の不一致が生じるかと思います。

 つまり、MMTの結果だけでは説明ができないことが多いとういことですね。


 学生さんを指導する難しさを痛感しています。

参考文献:

2011年11月13日日曜日

リーチ動作におけるplanning機能~固有感覚の重要性~

 日頃、上肢に対して、物を介した訓練と介さない訓練を行うことがあります。この違いにどんな影響があるのかを専門職として考えなければならないと思っています。が、日々患者さんの反応をみて考察する過程は、私にとってはとても難しい問題です。ボーっと文献を眺めていたら、1つ興味深い内容を発見することができました。
  今回は、何かに手を伸ばす時、神経学的にどのように成り立つかを調べていました。手の構え(プレシェーピング)は、物の形状を視覚的に捉え、その対象物の特徴を記憶と皮質でplanningされることで形成すると言われています。私の中ではこの時点でリーチ動作のplanningが成立するものと考えていました。
ordonGetzによると、
抹消の太い軸索群に神経障害を有する患者は、触覚や位置感覚、伸張反射がない。対象物に腕を伸ばしてつかむ時に目を閉じると、動いている腕からフィードバック情報が入らないため、正確な到達運動ができない(距離感のとり方を記憶しているのにもかかわらず)。また、彼らは到達運動のplanningができないこと研究で分かった。固有感覚の情報は、肢の状況を内的に再現し、刻々更新することに貢献する。

この話によると、絶え間ない更新がないと、動作を導くのに使われるplanning機能が起きなくなるようです。言い換えると、planning形成に必要な皮質の働きが起きなくなると考えることができるようです。これを考慮して患者さんを分析するとなると、最初から終わりまで、どのフェーズで失敗しているのかをしっかり見極めないといけないと改めて考えさせられました。でだしの手指・手関節か?その前の視覚か?記憶か?中間地点の肘の役割か・・・。


患者さんを簡単に高次脳(失行など)と決めつける私。この文献を読んで、とても無責任さを感じました。

参考文献:

2011年11月9日水曜日

呼吸と腹臥位の関係性

 くも膜下出血後重度の左片麻痺を呈した寝たきりの患者さんの体験話です。














 腹臥位を促したところ、普段端坐位もとれない方が、体幹(特に下部体幹)の可動性が呼吸とともに変化し、端座位もとれるようになりました。この患者さんは胸膜炎を一度起こして入院されています。












 腹臥位と呼吸リハビリの重要性について載っている文献に当てはめてみたいと思います(単に当てはめるのはいけないと思いますが、知識のない私にはまず学びのために・・・)。そしてこの本は注意障害の私にとっても非常に読みやすい本です。









・絶対安静・仰臥位のリスク
   肺胞動脈血分圧の低下
   肺内シャントの増加
   動脈血酸素分圧の低下
   機能的残気量の低下
   下側肺に生理的変化
   下側肺障害の発生
 






 寝たきりになると、繊毛運動が低下、気道内の分泌物貯留するようですが、これらは重力により特に背側にたまるようです。
















 背側の全域が抹消からつぶれてしまうと機能的残気量が低下し、換気ができなくなるようです。この状態が続くと肺内シャント血流が増加し、下側肺障害を発症する要因になるといわれています。

















この文献では仰臥位をできるだけ避け、可能な範囲で側臥位や腹臥位の反復をすることをすすめておりました。












 図では腹臥位によるメカニズムが分かりやすく載っていました。黒い部分は血液や水分が鬱滞した状態で、含気がない。仰臥位での上側には空気がたくさんあっても、背側にはシャントで炭酸ガスがたまってもガス交換ができない状態を示していました。






















この内容が、端座位がとれるすべての要因に当てはまったとは思ってはいません。たしかに体幹背部が大きく変化していました。それに伴い肩甲胸郭関節となる肩甲骨の動きも、座位における空間で定められる範囲が広がったことも大きな要因になったと考えています。

















動きを止められていた横隔膜や血流変化による臓器機能の影響も考えられるのでしょうか。今後も、寝たきり・肺疾患・心疾患などのポジショニングを検討し、どのような影響を与えていくことができるかを考えていきたいと思います。


















2011年10月31日月曜日

超効率勉強法①

仕事以外で活躍されている方の本をよく読むようにしています。世間で成功しているたくさんのヒトの考えを聞くことは、何事にも手っ取り早いと思ったからです。


 その一つに勉強法について述べている本を見つけました。勉強法に限らず、成功しているほとんどのヒトが同じことを述べていました。それは、
「朝型になること」
でした。朝型は頭の回転がよく、周囲の環境(テレビや友達とのメール・・・など)に振り回されない時間帯であり、とても勉強や作業効率が良くなるそうです。


 東大生のほとんどが朝型であると言われており、かつてサッカー日本代表で活躍していた釜本選手も、朝4時に起きてサッカーと勉強を両立してきたそうです。とにかく夜は寝ることだけを考えることが重要だと述べています。夜10時~翌日2時。この時間に寝れると脳や胃腸系の休息が最も効率的に得られるそうです。


 少し休もうとネットを開いたり、テレビを眺めていると、気づいたら2~3時間!!なんてことがよくあります。それが一週間で14~21時間・・・。人生は一回のみです。時間は貴重にしていきたいと思います。
 早速明日朝5時起き!トライしてみたいと思います。




2011年10月26日水曜日

介助者に必要な空間スペースをつくることの重要性について

当院OTでは、定期的に病棟スタッフに各テーマ事にレクチャーを実施しています。

前回は車いすについて、今回は入浴動作・ベッド上における更衣動作をテーマに実施する予定です。

今回のレクチャーでは、
「介助するための必要なスペースを考慮する」
ことを中心に更衣動作の実技体験も兼ねて述べていきたいと考えています。更衣動作に限らず、介助者としてすべての項目に必要と考えたからです。

とても分かりやすい文献があったので引用させて頂きます。

 図Aと図Bは前屈運動をしている場面です。

静止立位から前屈を行う動作は上半身を前に倒しますが、その時に下半身が後方に移動するそうです。この下半身を抑制する(図B)と、前屈運動自体が難しくなるのが図を比べてよくわかります。

トランスファーや方向転換、ズボン・靴の着脱などこの動きに似た動作を介助者はよく行うかと思います。


病棟で患者さんのベッド配置・レイアウトをみると、
「病棟に介入しているOT・介入していないOT」
がはっきり分かります。

当院のような古い病院環境では特にですが、スペースが広いリハビリ室だけでの評価は、限られた生活空間における患者さんの動きを把握しきれるものではありません。(と、私は思います)

病棟スタッフが介助しやすい環境作りも、患者さんに大きな影響を与えるため、OTに求められる必要なスキルであると考えています。新人OTさんにも少しでも伝わるよう、講義内容をしっかりと考えていきたいと思います。