2021年7月20日火曜日

「揺する」ことの効果について

  私はタッチングの研究を行っていますが、現段階では「ストローク」のみの研究に留まっています。

 

 ストロークの他にも臨床で触れる方法はいろいろあると思います。私の場合は、皮膚のみをgraspしたり、筋をしっかりgraspしたり、皮膚・筋の伸長を促すような触れ方をすることがあります。


 なかでも自然と臨床で実施するのが、「揺する」タッチングです。どの位の強さで、どの位の揺れを引き出すのかについて、全く統一が確立しているわけではありません。これは患者さんによって大きく変わるので、統一性を図ることはかなり難しいです。


 この「揺れ」によって、患者さんの動きが良くなったり、心理的なリラックス効果を得られることを多く経験します。


 この研究はまだまだ少ないようですが、これらの効果の要因として胎児がお腹の中にいるときの「揺れ」と羊水によって刺激される産毛の「揺れ」を思い出しているのではないかという考えもあります(久住、2018)。


 また、揺らすことで、全身の関節や筋も動きますし、それに伴う支持面との接触によって緊張した筋が緩んでくることも考えられそうです。


 先ほどリラックス効果といいましたが、このリラックス効果により、消化・吸収、心臓や呼吸、排便、免疫、ホルモンなどの動きを調整する自律神経の動きが活性化される可能性もあるのではないかと思います。


 様々なメカニズムが複雑に絡み合って「揺れ」の効果が反映されるのかもしれません。私は専門ではありませんが、精神科の患者さんにも提供することに意義があるのではないかと考えております。


 心理的要因と関連しているという頭痛や慢性腰痛の方にもどれほどの効果をもたらすのか気になるところです。

 

 現在課題としている研究を終えることができたら、自律神経指標や心理尺度、エコーなどを用いてぜひ検証してみたいと思います。

2020年5月15日金曜日

肥満、糖尿病が脳卒中に与える影響について

 肥満と糖尿病が脳卒中の機能に強く関連している興味深い報告を拝見しました。




 この研究は脳卒中を呈する約3万人への横断的調査によるもので、肥満と糖尿病が機能障害に与える影響について検証したものです。




 この調査の結果、肥満、糖尿病どちらでも機能障害におけるオッズ比は高かったようですが、両方とも呈する脳卒中の方はオッズ比がより高かったことが明らかになりました。




 つまり、両方の要因を呈する方は、機能障害低下の最大の要因になる可能性が大いにありそうです。作業療法を提供するうえで、生活習慣の介入に着目すべきである、と述べられていました。


 
 脳卒中を呈する患者さんの予後予測にも重要な因子になりそうですね。肥満、糖尿病の筋活動の特徴についても、どのような研究が行われているか探る価値がありそうです。




引用文献:
Bailey R, Serra M, McGrath R. Obesity and diabetes are jointly associated with functional disability in stroke survivors. Disabil Health J. 2020, doi: 10.1016/j.dhjo.2020.100914.

2017年8月25日金曜日

無料統計ソフト HAD 

 研究者にとって、統計ソフトは必須です。





 大学では、spssが主となっていますが、ここですごいソフトに出会えました。spssと同じ、それ以上と言われている無料統計ソフトでその名称はHADです。












 社会心理学の清水先生が作成され、バージョンアップも常にしているようです。統計の素人の私でも非常に使いやすいので、少しだけ紹介したいと思います。












 

 左の図は、まずデータセットに必要な画面です。

 データはでたらめな数字を入れています。例えば、運動をすることで学校の成績がどのように変わるかを検定してみました。








  右図はデータセット完了後の図です。
 見た目もやさしく、ワンボタンでできる図となっていますね。





 
 

 分析をクリックすると、このような図がでてきて、さまざまな分析方法が一発で視覚的に表れます。













 平均の差の検定、つまり対応のあるt検定をやってみました。

 このデータの場合は、有意差があることがわかります。またグラフも自動的に作成してくれます。










 箱ひげ図は、ノンパラメトリックの際に用いるのが望ましいといわれていますが、素人の私にとっては、箱ひげ図は全体像が見えやすくてすきですね。

 箱ひげ図のところにクリックするだけで、左記のような図を作ってくれます。











 以上簡単ですが、HADを紹介させて頂きました。spssもすごいと思いますが、無料ソフトであることから、家でも、どこでも、いつでもできるというのも魅力だと思います。














 また、共分散構造分析(SEM)を用いる場合、spssに加え、Amosも必要になりますが、HADの場合、これ単体で対応が可能となっています。



















 ライセンスがありますので、学会発表や論文等には、必ず下記の引用文献として、載せておくことが必要です。

清水裕士 (2016 ). フリーの統計分析ソフトHAD:機能の紹介と統計学習・教育,研究実践における利用方法の提案  メディア・情報・コミュニケーション研究, 1, 59-73.

2016年12月28日水曜日

お正月を健康に過ごすために ~血糖値~

 早いもので、クリスマスも終わり、今年も終わってしまいそうです。

 大学院に行ってはじめて研究というものに触れて、無知だった私にとっては、濃い内容を過ごせた1年であったように思います。

 将来研究者として活動していきたいという思いも持つようになったことは、私にとって視野が広がることにもなりました。

 ただ、日々の臨床はとても楽しくて、自営業という夢も捨てきれません。来年、修士論文にとりかかった後、どんな世界が見えるようになるのか。本当にやりたいことが見つかるのかもしれません。

 そのためには、やはり常に健康でいる必要があります。


 今日の朝羽鳥のモーニングショーという番組で健康と血糖について述べられておりました。

 おせち料理は塩分や糖分の宝庫であり、一番太りやすい時期であると言われています。

 「甘いものがほしい」

 私もいつも思ってしまうことですが、これはすでに脳が糖分を求めている状態に陥っているとのことでした。血糖の変動を少なくすることで、徐々に糖分を求めなくなるというようなニュアンスでのべられていました。

 下の図はその内容のイメージです。
 このイメージ図のように、急に血糖を挙げてしまうと、インスリンの過剰な働きによりもともとのベースラインよりも血糖値が下ってしまうようです。この現象は、結局満足できずに、また糖分を求めたくなるという悪循環を例にしたものです。

 食べる順番にまず最初に野菜から、みそ汁から・・・と言われている意味が分かります。

 今日挙げられていた内容としては、年越しに食べるそばにはルチンたっぷりのねばねば系の食べ物を一緒にとることで、コーティングされ、胃・腸などにおける吸収を妨げられるということです。

 またおせち料理では、酢の物から摂るようにし、血糖値の急激な上昇を防ぐことが期待できるそうです。お餅はできるだけ、やわらかいものよりもかたいもので、消化に時間がかかるものが良いとのことでした。

 また来年も健康でいられるよう、食生活の方も気にしていきたいと思います。

2016年6月15日水曜日

素人統計学 ~相関係数~

 この図では、とてもきれいな直線図となっています(こんな例はないと思いますが)。










 Xの変化に対して、YもXと同じように変化していることが分かります。

 











 この理想的な直線図は相関係数として1~-1の間をとり、1や-1に近ければ近い程、相関係数の強さを表すようです。











 例えば、

「伸長Aが高くなれば体重Bも増える」

としたとき、この直線から大きくずれてしまうと(ばらつきが多い)、この仮説が正しいという信頼性は弱くなってしまいます。














 このばらつき具合のデータの捉え方・考え方は、研究の領域によって異なるようです。例えば、心理学と社会学で比べてみます。










‐1≤r≤1とした時、


心理学の場合、
  .00±.20     ほとんど相関がない
±.20±.40   弱い相関がある
±.40±.70   中程度の相関がある
±.70±1.00   強い相関がある







社会学の場合、
     ±. 10   弱い相関
  ±. 30   中程度の相関
  ±. 50   強い相関









 社会学の場合、心理学に比べて相関の強さを示す範囲がかなり広いんですね。










 その理由として、心理学に比べ社会学は、かなり広い視野・大きな規模での分析になるということが一つ考えられているようです。


















 統計手法はもちろん、このような結果の解釈は、研究者が何を明らかにしたいかにも影響を受けるかもしれません。

 

2016年5月23日月曜日

偏差値

前回のブログでは、分散と標準偏差について述べました。

山の形をしている正規分布で、でた数字によって山の形の特徴を表しました。

今回は、学校の成績でよく使われている偏差値です。

偏差値は50が真ん中と言われていることから、山の形のど真ん中が50と想像します。

偏差値の計算式は、

まずは、Zi=個々の点数-平均点÷標準偏差

偏差値=10×Zi+50→つまり、平均点をとると、Ziが0になるので偏差値は真ん中の順位の50!!


となります。例えば、科目67点-平均点53点÷10(ここでは10)とします。これを計算すると、、、

計算すると偏差値は64となります。ちなみにZiが1.4でした。つまり、標準偏差10に対し、1.4倍!!ということになりますね。真ん中の50の+方向に14進んだ位置になりますので、この67点という成績の偏差値は64です。

 では、この偏差値平均50から+の方向に14の位置、つまり64とはどのくらいのレベルなのか。。。

 ここでブログでだした標準偏差の範囲は、1SDと呼ばれるようで、この範囲は真ん中から+面と-面両方含めて64%の割合をだすようです。つまり、真ん中から32%の位置になります。

 偏差値の場合、1SDは60、2SDは70の位置になるようです。つまり、偏差値64の数字はど真ん中から+32%以内の人たちよりも上の位置になるということになります。

 1SDが64%となるようですが、100%より64%を引くと、36%になります。つまり、真ん中より+32方向、50以下の位置が2SDの範囲となります。偏差値70を超えたら、全体のわずか2.5%内の順位になるのですね。


参考資料
東京福祉大学 心理学統計資料、 桜美林大学 心理統計学資料



2016年5月18日水曜日

分散と標準偏差 A社、B社どっちに就職する?!

8人社員がいるA社とB社があったとします(以下の数字、単位は100万)。






A社の給料として、
4、4、5、5、5、5、6、6

B社の給料として、
1、2、3、5、5、7、8、9

とします。






平均は・・・どちらも同じ!!皆さんは、どちらを就職しますか?










これを統計学で散らばり具合を分析していくのに、分散と標準偏差というものを利用するようです。











実際の方法が、まず中央値(ここでいうとAもBも5)から、個々を引いて合計し、それを人数で割り算します。これが平均からの距離、つまり偏差になります。すると、、、












答えが「0」!?












これはプラス、マイナスが存在するためだそうで、これを単純に2乗してしまえば!というものが分散の計算式になります。














これで0になることはなくなりますが、このままですと、単位(ここでは円)が2乗のままになってしまいますので、√を用いて2乗をはずします。これが標準偏差の計算式になります。














経過を省略し、結果は、、、

A社:0.71

B社:2.69

となりました。この数字がなんの意味を示しているのか素人の私にはわかりにくい。







イメージとしては、B社に比べA社の方が、正規分布という図において、幅が狭く背が高い急な傾斜をもつ山のような絵になります。












つまり、A社はB社に比べ、真ん中から近いんですね。給料をもらう人たちの差が少ない(ばらつきが少ない)。一方で、B社はA社に比べ、給料をもらう人たちの差が大きい(貧富の差が大きい?)。















私の個人的な分析では、












A社はそんなに能力の差がなくてもみんなと近い数字の給料をもらえる♪でもいくら頑張って努力しても、下の人とそんなに変わらないから、やりがいがない??















B社は最初の給料は低いけど、頑張れば皆より給料がもらえる♪でもトップになるまでの過程が大変だから、最初から幅の少ないある程度もらえるA社の方がいい??また、B社はA社に比べ、仕事の求められる量と給料があってそう・・・
















などなど。このように数字だけで答えを求めるのはむずかしいですね。結果のでた数字をどのように分析するかが求められそうです。














慣れない統計学、本当に嫌になりますが何とかくいついていきたいと思います。