2011年10月31日月曜日

超効率勉強法①

仕事以外で活躍されている方の本をよく読むようにしています。世間で成功しているたくさんのヒトの考えを聞くことは、何事にも手っ取り早いと思ったからです。


 その一つに勉強法について述べている本を見つけました。勉強法に限らず、成功しているほとんどのヒトが同じことを述べていました。それは、
「朝型になること」
でした。朝型は頭の回転がよく、周囲の環境(テレビや友達とのメール・・・など)に振り回されない時間帯であり、とても勉強や作業効率が良くなるそうです。


 東大生のほとんどが朝型であると言われており、かつてサッカー日本代表で活躍していた釜本選手も、朝4時に起きてサッカーと勉強を両立してきたそうです。とにかく夜は寝ることだけを考えることが重要だと述べています。夜10時~翌日2時。この時間に寝れると脳や胃腸系の休息が最も効率的に得られるそうです。


 少し休もうとネットを開いたり、テレビを眺めていると、気づいたら2~3時間!!なんてことがよくあります。それが一週間で14~21時間・・・。人生は一回のみです。時間は貴重にしていきたいと思います。
 早速明日朝5時起き!トライしてみたいと思います。




2011年10月26日水曜日

介助者に必要な空間スペースをつくることの重要性について

当院OTでは、定期的に病棟スタッフに各テーマ事にレクチャーを実施しています。

前回は車いすについて、今回は入浴動作・ベッド上における更衣動作をテーマに実施する予定です。

今回のレクチャーでは、
「介助するための必要なスペースを考慮する」
ことを中心に更衣動作の実技体験も兼ねて述べていきたいと考えています。更衣動作に限らず、介助者としてすべての項目に必要と考えたからです。

とても分かりやすい文献があったので引用させて頂きます。

 図Aと図Bは前屈運動をしている場面です。

静止立位から前屈を行う動作は上半身を前に倒しますが、その時に下半身が後方に移動するそうです。この下半身を抑制する(図B)と、前屈運動自体が難しくなるのが図を比べてよくわかります。

トランスファーや方向転換、ズボン・靴の着脱などこの動きに似た動作を介助者はよく行うかと思います。


病棟で患者さんのベッド配置・レイアウトをみると、
「病棟に介入しているOT・介入していないOT」
がはっきり分かります。

当院のような古い病院環境では特にですが、スペースが広いリハビリ室だけでの評価は、限られた生活空間における患者さんの動きを把握しきれるものではありません。(と、私は思います)

病棟スタッフが介助しやすい環境作りも、患者さんに大きな影響を与えるため、OTに求められる必要なスキルであると考えています。新人OTさんにも少しでも伝わるよう、講義内容をしっかりと考えていきたいと思います。

2011年10月23日日曜日

夜間痛を伴う肩関節周囲炎の患者さんを担当して

 原因不明の肩の痛みが発生し、肩関節周囲炎の診断を受けた患者さんを担当しました。肩はほとんど動かすことができず、特に肩の前面に触れるだけでも痛みが生じる程でした。夜間痛はあり、熱・発汗が生じ、ほとんど寝むれない状況でした。

 肩関節周囲炎の定義は、
「病理組織学的に関節包の慢性炎症を伴った肥厚と収縮であり、このような病態に対して、炎症部位に機械的刺激をかけないようにし、炎症の沈静化が最も重要となる。また、原因が明確でない拘縮肩に対する総称であることが多い。」
といわれています。

 実際の患者さんの肩をおおざっぱに確認すると、肩関節三角筋前部・中部、二頭筋、大胸筋や小胸筋の持続的な過剰収縮を触れて確認できました。相反する筋は低緊張で働く機会が得られにくい状況でした。アプローチとしては、
「防御収縮による二次的疼痛、そして慢性化・不眠による組織修復をする成長ホルモン分泌の低下を考慮する」
を参考にし、第一優先として、
   過剰収縮が起きない場面をつくり、
   睡眠が十分にとれること
に専念しました。

 リハビリではベッド上で過剰収縮が起きない姿勢コントロールの獲得やベッドアップの角度、ポジショニング、臥位で疼痛のないとり方を患者さんと確認しました。すると、次の日には痛みはほとんどなく、触れることやご自分で動かすことが可能となりました。リハビリで行った内容を注意することで、夜の痛み・熱・発汗もなく、よく眠れたとのことでした。患者さんもびっくりされていました。

 今回の結果から、
・夜間寝る姿勢によって関節内圧が変化し、それに伴って過剰な筋収縮が伴っていた・・・文献Ⅰ
・関節包の影響から関連痛として肩前面に痛みが生じていた・・・文献Ⅱ
・睡眠が十分にとれず、自律神経系の調節に影響をあたえていた・・・
と考察しました。

 肩の問題を考える要因は無限大にあり、この考察だけではほど遠く、むしろ検討違いの部分もあるかもしれませんが、私なりに文献と臨床を照らし合わせる作業をしてみました。
もしかしたら、病態そのものが急に改善した可能性もあったと思います。


文献Ⅰ:
関節内圧の正常は下垂位で-50cmH2O程度の陰圧を呈している。関節炎などが生じると、反射性筋緊張により内圧が上昇する。さらに関節包の容量や伸張性が低下して全可動域で内圧が上昇傾向を示す。
夜間痛に関連する因子として、肩峰下滑液包圧が挙げられ、姿勢によって圧が高くなる。


文献Ⅱ:
関節内圧の上昇により関節包に存在する関節受容器を刺激して疼痛が発生するとともに、周囲筋群の緊張性収縮を生じて更なる圧上昇の原因になる。
関節包からの求心線維と皮膚からの求心線維が脊髄後角の同一ニューロンに収束するため、関節包からのインパルスを脳では皮膚と認識する。







参考文献:


MEDICAL REHABILITATION no.79―Monthly book リハビリテーションにおける疼痛コントロール

2011年10月13日木曜日

脳画像について:前頭葉~frontal association area~


 右視床出血・脳室穿破が認められ緊急入院となった患者さんのお話です。
 
 

 脳圧は更新し、入院時意識レベルは徐々に低下、左片麻痺、右側眼球偏位・両側下方偏位、構音障害が認められました。

 


 その後は両側EVDにて経過し、約2週間後にEVD抜去となりました。





 特に特徴的な症状がみられていたので、文献を照らし合わせてみました。その特徴的な症状は、

・眼球の両側下方偏位。常に下方を向いているため、前方に視線を向けるときは頚部を過伸展することになり、結果として重心は常に後方に位置します・・・SUNSET phenomenon

・病前はおとなしかった性格であったが、スタッフへのセクハラや暴力が目立つようになっていた・・・orbitofrontal syndrome(眼窩前頭症候群)











 EVD抜去後には、この2つの問題は改善されていました。





 文献を確認してみます。

<SUNSET phenomenon>
 頭蓋内圧が亢進することで、通常の頭蓋内圧亢進症状に加え、眼窩上壁が押し下げられる結果、眼球が下方に転移して下眼瞼の中に沈み込んだように見える。これを落陽現象と呼ぶ。

<orbitofrontal syndrome
 眼筒に面した前頭葉の障害による症状抑制により感情の起伏が激しく多幸性になるだじゃれや不適切な言葉,ひょうきんな言い回しをする(Witzelsucht)。
 おかれた立場の判断に乏しく,社会的行動上の問題や性的異常行動等を示す




 この二つの症状が改善した理由として、EVDによる頭蓋内圧が低下し、
・眼窩上壁に対する押し下げがなくなったこと
・視床と眼窩領域の前頭葉との連絡路が再開通したこと
と考察しました。



 眼球の動きが改善されると同時に、トランスファー二人介助を要していた患者さんが、監視レベルになりました。




 高次脳や視覚の影響ってすごいですね。





 今後は前庭系や視覚を含めた内容も取り入れていきたいと思います。


2011年10月6日木曜日

Trunk Muscle Activity in Two-Leg Standing To One-Leg Standing in Healthy Elderly Adults

この文献は、健康な若年者と高齢者を両脚立位から片脚立位へ切り替えた時のバランス実験を行ったものです。

何故かMMT4、5ある患者さんがいるのにバランスを崩してしまう、上手に歩けない、ズボンの着脱が上手にできない・・・などの臨床をよく経験します。

この文献は、筋活動には問題がない健康な若年者と高齢者を比較すると、高齢者の方がアンバランスであったと述べています。左図をみると、動作に移る500ms前の圧倒的な反応の違いがよくでています。




*task:右足を挙げる
GM:左中臀筋
OI:左内複斜筋
MF:左多列筋
IP:右腸腰筋

真っ先に患者さんをベッドに寝かせ、当たり前のように筋力訓練・・・。この図からみて、むしろ高齢者の方が腸腰筋の活動が高い時もあることから、筋力訓練程、神経を集中してかかわらなくてはいけないと思いました。よく見受けられる学生さんの発表に対して、
「MMT5近くあるのに、歩けないのはMMTの評価の仕方がまちがっているのでは?」
とスタッフが学生さんによく質問を投げかけています。

その話を聞くたびに私は、
「では、実際にMMT5であったら、あなたはこの方の問題をどう考えますか?」
と逆にスタッフに質問!!・・・しようかな。と思っている私がいます。
少し愚痴が入ってしまいました。すみません。
ADLなど実際に患者さんが動いている場面で、より細かく学生さんと一緒に分析・考えていけるセラピストになれるよう、明日も一生懸命頑張っていきたいと思います。

2011年10月3日月曜日

歩行における上肢の関連性






















 作業療法士が上肢をアプローチすることによって、何故か歩行が上手になる場面を遭遇することがあると思います。


















 対象者がADLに歩行を必要とするのであれば、作業療法士も歩行の分析が必要だと思っています。



















 臨床では、肩の痛みを伴う方が多く、歩行に必要な上肢のコントロールが不十分な方が多く見受けられる印象をもっています。





















 



















12は高齢者と若年者において、歩行時の上肢関節角度について研究された文献をみつけました。特に高齢者のほとんどが、
「肘が伸展しない・肩が屈曲しない」
ことがわかりました。











 このことによって、非麻痺側のヒール・コンタクトを阻害し、歩行スピードや歩幅にも影響していることを述べられています。私の臨床経験では、対象者は何故か、「非」麻痺側なのに、非麻痺側の臀筋や体幹の筋活動のタイミングがずれ、結果的にweaknessへ陥っているのではないかと考えることが多いです

















 外側系はもっと中枢よりにあると学生の頃から思っていました。



















 図3をよくみると、外側系はほぼ末梢の方にあるようです。内側系は体幹部分に加え、上肢でいえば前腕部分まで広く分布されています。




















 歩行も含め、応用動作におけるADL場面では、上肢を考慮した評価が必要不可欠なのだと改めて考えされられる図であると思っています。

















「廃用手=治療対象ではない」
 よく聞く言葉です。しかし、作業療法士として、本当にそうなのかをしっかり考えていきたいと思います。